徳永憲 『サイレンサー』('04)
b0061611_2525932.jpgこういう素晴らしい作品が人知れずこっそり出ているのが、何だか切ない・・・。

僕はミュージック・マガジンで岡村詩野さんがこのアルバムに9点をつけていたのを見て、妙に嬉しくなって発売日に買おうと決めていた。しかし、発売日にタワレコに行っても入荷されておらず(梅田店にすらなかった)、タイミングを逸した僕はすっかりその存在を忘れてしまっていた。で、つい先日再びタワレコに行った時、ふらりと徳永憲のコーナーを見てみるとこのアルバムが1枚だけポツンと寂しそうに・・・買った。

キャリア初の全編アコギの弾き語りで、かなり地味な作品ではあるが、何度も聴きたくなる中毒性は異様に高い。彼の癖のある甲高い歌声とアコギの繊細な音が重なると、何とも不思議な浮遊感が生まれて、心地良くなる。が、それもつかの間、ポップスではまず使われないような毒の潜んだ言葉が突然耳に飛び込んできて、今度は変な気分になる。気持ち良い気持ち悪さ、あるいは、気持ち悪い気持ち良さ、この感覚が彼ならではというか。僕の場合、心にひっかかる曲というのは、異質感を携えた曲であることが多いような気がする。ただ単に美しいとか、ただ単にキャッチーだとか、そういう曲はその一瞬は良いと思えても、すぐに飽きてしまう。例えば、僕がカーネーションを全く飽きもせず聴き続けているのも、「Edo River」を初めて聞いたときの「なんじゃこりゃ?」という感覚から始まっているからだと思う。キリンジにしても青山陽一にしても優秀なポップスはみなそうである。そして、もちろん徳永憲の音楽も最高なのである。
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by kesuike6 | 2005-02-01 04:24 | ALBUM(SINGLE)
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