青山陽一 『ODREL』('04)
そんな小林建樹さんも青山陽一さんの大ファンだそうで。なにやら建樹さんはファンの人から「きっと気に入るはず」とプレゼントされたのが青山さんの『SO FAR, SO CLOSE』だったらしく、それを聴いて一気にはまってしまったそうです。建樹さんのラジオ番組でもしょちゅう青山さんの曲がかかってました(確か「Starlab」が大好きとおっしゃってました)。青山さんは建樹さん以外にも、キリンジ、くるり、中村一義、曽我部恵一などの若手の人気アーティストからも熱い支持を受けてるようですが、世間的にはほとんど知られていないという切ない有り様。キリンジが好きならなぜ青山さんの音楽を聴かない、キリンジがやってるようなことを青山さんはもう20年くらい前からずっとやってるんだよ。カーネーションもそうだけど、やっぱり出てくるのが早すぎたんだな。キリンジが売れたとき、やっと青山さんに時代が追いついたのか、いや、青山さんが売れてないのだから、まだ追いついてないか・・・。

b0061611_3193051.jpg昨年発表された、今のところ最新作の『ODREL』が僕は青山さんのアルバムの中で一番好きですね。まず、個人的にこのアルバムの出来るだけ余計な装飾を削ぎ落とした剥き出しのバンドサウンドが好みなんです。ある意味スカスカのバンドサウンドなんだけど、グルーヴはめちゃくちゃ太いし、音の寂しさなんて微塵も感じない。そして、なんといっても色気があるのよ。ヌードになったがゆえの色気、艶。決して卑猥じゃなく、しなやかで美しい。それは当時青山さんがはまりにはまっていたスティーヴ・ウィンウッドの影響で多用されているハモンドオルガンの効果もあるだろうし、プロデューサーの鳥羽さんのサウンドメイキングに依るところも大きいのだと思います。本当に音が素晴らしく良いのです。高音が決してぼやけることなくこれほどクリアに繊細に聞こえてくる作品ってそうそうないですよ。特に、アコースティックギターの音がすごく気持ちいい(「Los Angeles」なんかもう)。

色気でいうと、(これは今作に限ったことではないけど)青山さん特有の粘りつくようなブルージーなギタープレイやハイトーンヴォイス、そして、言葉とメロディーのハマリ具合までも色っぽい、ていうか、エロい。いや、ホント、青山さんの音楽はエロで成り立ってるんじゃないか!?それにしても、青山さんは本当ははたけば埃が舞い散るような泥臭い音楽をルーツにしているのに、生み出される音楽は実に洗練されていて都会的なのは一体どういうことなんだろう?青山さんの頭の中身を一度覗いてみたい。それは青山さんのメロディーに関してもそう。今のアーティストのどの曲を聴いても大抵、ああーなんかどっかで聴いたことあるなぁ、なんて思ったりするものですが、青山さんの描くメロディーだけは違います。歌謡曲的だとか洋楽的だとか、なんかそういう言葉が当てはまらない、それはもう青山節としか言いようがないんですけど。まぁそういう少し耳慣れない奇妙なメロディーがともすればとっつきにくさにつながるのかもしれないけど(反面、一度はまると抜け出せなくなる)、この『ODREL』はより一層キャッチーさが増しているような印象です。「Rainbow」とか「Ultra Sonic Bicycle」なんかはラジオやテレビで流れたら、けっこう反応してくれると思うのですが、どうでしょうか。個人的には、「Free Bird」にやられっぱなしです。最初はアコギと歌だけなのですが、1番が歌い終わるとアコーディオンが鳴り響きブレイク、そこからリズム隊が加わって一気にグルーヴが増して行くまさにこの瞬間、僕は鳥肌立ちまくり痺れまくり。間奏のエレキのギターソロもヤバイし、もうおそろしくカッコイイのです。SAKANAの西脇さんが描いたジャケットも素敵だし、絶対買いの超名盤です。

とりあえず、キリンジファンは買いましょうよ。

※ちなみに、僕の『ODREL』は青山さんのサインと「Happy Birthday!」というメッセージ入りです。レコ発インストアライブの日がちょうど僕の誕生日だったので、無理矢理お祝いメッセージを書いてもらいました。その節はどうもありがとうございました、もちろん僕の大切な宝物です。
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by kesuike6 | 2005-05-18 03:39 | ALBUM(SINGLE)
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