ライチャス・ブラザーズ「ふられた気持ち」やドリフターズ「オン・ブロードウェイ」などの数々の大ヒット曲を生んだ偉大なポップス作曲家バリー・マンのソロアルバム。同時期のキャロル・キング『つづれおり』と並ぶとも称されるアメリカンポップスの永遠のマスターピース。
なんだかんだ言って、僕はポップスが大好きだ。美しくて泣けるメロディーに小粋な歌詞が乗り、都会的で洗練されたアレンジが施された楽曲を素敵な歌声で情感込めて歌い上げ、3分という短い時間の中で夢が見れる。それが僕の中でのポップスの大まかな定義だけど、バリー・マンの歌はまさにポップスの中のポップス、完全無欠のポップスだ。34年経った今でも色褪せるどころか眩しすぎるくらい光り輝いているし、メロディーの力は何よりも強力だということをやっぱり思い知らされる。先の「ふられた気持ち」や「オン・ブロードウェイ」のセルフカヴァーも良いけれど、とりわけ2曲目「When You Get Right Down To It」は極上。最愛の妻であり良きパートナーであるシンシア・ワイルへの想いをこれ以上なく切なく力強く歌ったバラード。盟友キャロル・キングのコーラスも素晴らしいし、メロディーといいアレンジといい、今まで聴いてきた中で最も好きなラヴソングかもしれない。これは少しでもロマンチシズムを湛えた人ならわかってくれるはずだ。そう言えば、日本最強のロマンチストロッカーの直枝さんがロック・シナトラで最後の最後にかけたのはこのアルバムの収録曲「I Heard You Singing Your Song」(これもキャロル・キング参加)だったはずだ。 職業作曲家としては大成功を収めたにも関わらず、このソロ作はさっぱり売れなかったそうだ。僕はマンの男の強さ・優しさが滲み出た渋い歌声が大好きだし、なんで売れなかったのかよくわからないけど、ジャケットの窓から射し込む温かな陽の光を浴びて穏やかに佇む彼の姿を見ているとそれもなんとなくマンらしいのかもという気がする。いや、泣ける。 ※試聴など詳しくは⇒http://www.d-ville.com/dv_records/barrymann.html ※次作の『SURVIVOR』('75)も負けず劣らずの名盤です。
by kesuike6
| 2005-07-09 04:42
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