御堂筋横断-完全版-
b0061611_17523399.jpgカーネーションLIVE 『御堂筋横断』
2005/11/13(Sun)@大阪バナナホール
OPEN 16:30 / START 17:00

★セットリスト-全28曲・約3時間20分-★
01.LADY LEMONADE 02.ハイウェイ・バス 03.LEMON CREME 04.ルネッサンス 05.気楽にやろうぜ 06.やるせなく果てしなく 07.愚か者、走る 08.獣たち 09.シケイロスのように 10.ANGEL

11.LOVERS & SISTERS 12.サンセット・サンセット 13.市民プール 14.魚藍坂横断

15.マイ・フェイヴァリット・ボート 16.ソウル・パワー(新曲) 17.It's a Beautiful Day 18.SUPER ZOO! 19.Garden City Life 20.RUNNIN' WILD 21.PARADISE EXPRESS

-ENCORE 1-
22.スペードのエース 23.あらくれ 24.ぼうふら漂流族

-ENCORE 2-
25.コズミック・シーのランチ・タイム 26.あの日どこかで
27.おそろいのお気に入り 28.夜の煙突

※終演後のSEは「ハリケーン」



b0061611_17564893.jpg関西でのワンマンは4月以来、ライヴ自体は先月の京大西部講堂でのボロフェスタ以来。今回のワンマンは日曜だからか開場4時半・開演5時という、いつもより早い時間設定。開場時間寸前にバナナホールに到着。開演までの待ち時間が30分とこれまたいつもより短いので、いつもはのんびり屋のお客さんもたくさん外で待っていた。整理番号175番、僕も相当のんびり屋だ。中から騒々しい音が聞こえる、どうやらリハが押しているようだ。10分遅れで会場入り。やはり気になるのは前もってアナウンスされていた2ndステージの存在。客席のど真ん中にあるかと予想していたけど、もっと後方にあった。縦横4×3m・高さ30cmくらいの小さなステージ、薄い絨毯が敷いてある。僕は2ndステージの左側後方(矢部さん側)近くに陣取る。お客さんの入りも良好。ライヴ数日前に珍しく直枝さんがBBSに書き込みをしていたので、ひょっとするとチケット売れてないんじゃないか!?と少し心配していたのだけど、ホッとした。自分の位置が決まって少しボーっとしてる間に暗転、シナトラ。うわっ、やべっ、もう始まった。慌ててペンともらったチラシから適当な紙を取り出した、思いきりアンケートだった。ま、いいや、これで。株式会社ハリケーンさん、ごめんなさい。共演してほしいアーティストは、今モーレツにハマッてる歌ものジャムバンド「筆おろし」です。男トリオVS女トリオのガチンコ勝負、マジで観たいです。

まだ心の準備が出来ていないうちに演奏が始まったので、「LADY LEMONADE」から「LEMON CREME」の途中までフワーッと聴いてしまっていたけど、「LEMON CREME」の後半部に矢部さんの白熱のドラム連打が炸裂、それで一気に目が醒めた。カチッとライヴモードにスイッチが入る。「ルネッサンス」はいつ聴いても最高、クール&ファンキーなリズムに身体も揺れ始める。「気楽にやろうぜ」で少しリラックスした後、なんとこんなに早い段階で「やるせなく果てしなく」!ええーっ!すっかり驚いたけど、これはひょっとすると余裕の表れなのかもしれない。“言っとくけど、これからもっともっと凄くなるよ!”そんな自信が伝わってきて、ますますこのライヴへの期待感が膨らむ。ていうか、この直後、この直後からがホントに凄まじかった!まずは男泣きブルーズ「愚か者、走る」。寒くなればなるほどこの曲が沁みてくる今日この頃、聴けてすごく嬉しかったのだけど、新たなアレンジとして間奏に渋いギターソロが付け加えられていた。これがまたカッコイイってのなんの、痺れたシビれた。確かに直枝さんは超絶技巧なギタリストではないかもしれないけど、何気なく天才的なフレーズを生み出す本能のギタリスト。きっと直枝さんは骨の髄まで歌で出来てる人なんだろう、奏でるギターもどんなに歪もうともとことんメロディアス。ギターが歌っているし、泣いている。もっともっとギタリストとして評価されてもいいような気がするんだけどな。そうそう、天才的なフレーズと言えば、「獣たち」のリフもそうだ。単純なコードだけで、あんなに男前で狂暴なリフが出来上がるのだから。この曲にはロックンロールが一番元気だった頃の熱がしっかりとある。そして、次の「シケイロスのように」。これがホントにヤバかった!いつもよりもグッとテンポを落として、ますますニール・ヤング度が上昇(イントロの途中までは「Like A Hurricane」だと思った)。荒馬が蹄で大地をしっかり踏みしめ風を切り裂いて力強く突き進んで行く、そんな熱狂の演奏だった。サビでの直枝さんと大田さんとの熱唱、震えた。間違いなく歴代ナンバー1の衝撃。こんなにタフで太い演奏が出来るロックバンド、日本にはまずいないだろう。魂がすっかりどこか遠くへ持って行かれた僕は、いつもなら盛り上がるはずの「ANGEL」も気付いたら終わっていたという有り様だった…。メンバーは舞台袖に引っ込む。

しばらくすると客席を通って2ndステージにやってきた。うわーっ、ち、近い。3人が背中合わせに陣取る。直枝さんはアコギ、大田さんはベース or 棒状のタンバリン(?)、矢部さんはラップスティールというリラックスしたアコースティックセット。東京ドーム公演を観に行ったらしい直枝さん曰く、2ndステージのアイデアはストーンズのパクリだそうだ。「ストーンズならこんな感じで…」直枝さん、触りだけストーンズの物真似をしていた。フロアにいたお客さんはみんなが見やすいように誰からともなく自然に座りだす、とても素敵な光景だった。カーネーションファンはロッテファンに負けず劣らず本当に素晴らしい。まずは手始めにこのセットならお馴染み「LOVERS & SISTERS」、相変わらず気持ちイイな。僕がこのセットで一番印象に残ったのは次の「サンセット・サンセット」。なんとなく海の夕暮れっぽい感じになるのかなと予想していたけど、直枝さんの軽いカッティングによるギターのリズムが土臭く、テキサスの荒野にいる気分だった。それがまたイイ感じで、かなり気に入った。季節に逆らった「市民プール」もこのワンマンのテーマソング「魚藍坂横断」もゆるくて味わい深かった。心地良くハッピーな時間を過ごせたし、カーネーションの音楽性の懐の深さも味わえて、すごく良いアイデアだと思う。これからもバナナホールの風物詩として続けてほしいな。

大音量のサンバが流れる中、メインステージに急いで戻ってきた3人。なんか忙しいですね(笑)。第3部って言ってもいいのかな、最初の曲はなんと「マイ・フェイヴァリット・ボート」!懐かしい曲をやるとは聞いていたけど、まさかこの曲だとは。僕はまったく予想していなかったがゆえに、めちゃくちゃ嬉しかった。はぁ~切なくてホントいい曲だよなぁ、改めて感じた。今のカーネーションがやっても全く問題無し、イケてるイケてる。そして、そんな15年近く前の懐かしい曲のお次は最もナウい(死語)初披露の新曲「ソウル・パワー」。演奏に入る前に、初披露だということと演奏するのが難しい曲らしく、直枝さんは頭掻きながら「うーん、うーん」って渋ってたけど、最終的に「俺も男だ!」と喝を入れて演奏が始まった。「ソウル・パワー」というウルフルズが付けそうなちょっぴりダサいタイトルだけど、その名の通りソウルフルでグルーヴィー、気持ち良く踊れるこれまた名曲。なんとなくスティーヴィー・ワンダーが思い浮かんだ。次のアルバムは元カーネーションで日本のチャド・ブレイクこと鳥羽さんがエンジニア(ポップロックで今一番良質な音を出す人だと思う)、これまでライブ会場限定シリーズで出してきた曲もまた新たに録音しなおすらしいのでこうご期待。僕の勝手な推測だけど、おそらくかなり黒くてファンキーなアルバムになるのでは?公式BBSでもおっしゃってた方がいましたが、『天国と地獄』の続編みたいな作品になるかも!?いやぁもう、とにかく楽しみ。で、そんないろいろ期待させてくれる新曲に続くは「It's a Beautiful Day」。ソウル繋がりかな。なんか久しぶりに聴いたような気がするし、こうやってフルコーラスでとなるともっと久しぶり。それだけにいつもより余計に揺れてたような、バーイバーイバーイ♪手を振っちゃってね。で、ここからはまた轟音ロックンロールショー再開。イントロが聞こえてくると一気に盛り上がった「SUPER ZOO!」では、大田さんまたベースの弦切断!これで3度目?バナナホール七不思議の一つ(あとの六つは知らないけど)。それをきっかけにますます会場はヒートアップ!「Garden City Life」でポップにロックンロールし、「RUNNIN' WILD」の大田さんの男気溢れる歌いっぷりと後奏での三つの巨大な音塊のぶつかりあい。そりゃあアナタ、燃えないわけないじゃない。そして、カーネーションの新たなるスタンダードナンバー「PARADISE EXPRESS」で、まさしくパラダイスにイっちゃったまま本編終了。

鳴り止まぬ拍手…。

アンコール1回目。まだまだ続くよ轟音ロック伝説、満を持して「スペードのエース」!あっという間にエンジンに火がつく。焼きバナナ再びか!矢継ぎ早に「あらくれ」!来たよ、キたよ!これ聴いたの1年ぶりかな。グシャグシャとひしゃげたギター、ぶっといベースとパンチの効いたドラム、直枝さん途中で歌詞がすっ飛ぶもそれも含めてロックとしか言いようが無い。ということは、この流れだと次はアレか、そうアレしかないっすよ、「ぼうふら漂流族」!この前の伝説のボロフェスタの勢いそのままにますます渦巻く爆音ロックンロール絵巻き。最後の大田さんの開脚ジャンプはちょっとズレてたけど、そんなの知ったこっちゃねえ。

鳴り止まぬ拍手…。

アンコール2回目。今度は会場の後ろから、本根さんが懐中電灯を振り回しながら先導、直枝さんが一人で2ndステージにやって来た。フロアのお客さんも座り出す。「僕はこう、アシッドな弾き語りっていうのもやってまして…。」嗚呼、嬉しい。直枝さんの弾き語りがじっくり聴ける。「コズミック・シーのランチ・タイム」嗚呼、嬉しい。最小限に爪弾かれるギターの音色とバンドのときよりもより一層艶を増すふくよかな歌声…目を瞑って聞き入る。どこまでも優しい。会場はすっかり静まり返っていた、余計な物音何一つしない。あの場にいた誰もが皆直枝さんの歌に集中していた、いや、集中せざるをえない歌の説得力。続く「あの日どこかで」も同じように耳と心を直枝さんの歌とギターに傾ける…1番が終わって2番に入りかけたその瞬間、突然遠くからベースとドラムの音が…皆一斉にメインステージの方を見る。少し会場がざわついた。反則だよ…それは。一気に涙腺にキた。客席を挟んでメンバーが向かい合って演奏している、強い繋がりの糸がはっきりと見えた。それはもちろんメンバー同士もそうだが、何かお客さんを含めた会場にいた全員が繋がったと思った。青臭いかもしれないけど、本当にそう思った。嗚呼、音楽の力って素晴らしい。身に沁みて実感した。…今これを書いてる僕は半泣きです。

そんなちょっとセンチメンタルな余韻の中、直枝さんが颯爽とメインステージに舞い戻る。座ってたお客さんはゆっくり立ち上がる。大田「今でちょうど3時間くらいじゃないの?」直枝「なんか、まだまだ出来るよね。」会場「やって、ヤッテー!」…困った直枝さんがメンバーに耳打ち、その結果「曲増やした!」。ワーッ!ということで、ウイングス風味のパワーポップ「おそろいのお気に入り」を。ノリノリで痛快!で、そのまま「夜の煙突」へなだれ込む。お祭りの最後はやっぱりコレでしょ!大盛り上がりで踊りまくるお客さんを見ながら、さっきの静かな余韻をひきずっていた僕は、「嗚呼、なんかいいなぁ~。」って、しみじみ感慨に耽っていた。

いいライヴだった。
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by kesuike6 | 2005-11-14 17:52 | LIVE
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