ダッチャ 「26号線」('73)
数年前に『喫茶ロック』という、70年代初め頃の日本の良質なポップスを集めたオムニバスシリーズが流行ったことありましたよね。行達也さんや田口史人さんらが選定委員となって、はっぴいえんどやシュガーベイブなどのメジャーどころから、シングル1枚だけ出して消えちゃったようなマニアックなアーティストまで広範囲にフォローした、相当聴き応えのあるシリーズでした。と言いつつ。70年代初めと言えば、僕にとってはど真ん中の時代だし、嬉しすぎる企画だったはずなのに、結局1枚しか買ってないんですよね。うむむ。

b0061611_2261720.jpg僕が買ったのは『喫茶ロック~ドライブ日和~ショーボート/トリオ編』。タワレコ京都店で購入したんですけど、コメントカードにこれに収録されている“荒木和作とやまだあきら”のことを“70年代のカーネーション”と説明されていて、ホンマかいなぁ~と気になって買ったのでした(見事に戦略にハマッたと)。で、その曲自体は爽やかでポップでイイ曲なんですけど、70年代のカーネーションかと言われると!?まぁ確かに『GONG SHOW』期のフォークロックなカーネーションに近いような気はするけど…と、一応フォローしてみる。他に収録されているアーティストは、ココナツ・バンク、吉田美奈子、久保田麻琴と夕焼け楽団、外道、荒木一郎、南佳孝、小坂忠、マイナーどころとしては、北海道のシュガーベイブこと稲村一志と第一巻第百章、矢野顕子さんがソロデビューする前にやっていたバンドのザリバ、JAM、かんせつかず、ダッチャ、エルザの全13組20曲。同時代の洋楽に負けず劣らずの洗練されたアレンジが光る名曲揃いです。



そんな中でも、最高潮にグッとキたのは、ダッチャの「26号線」という曲。僕の中での好きな曲トップ10にランクイン確実です。ダッチャ(本名:安達清康)とは北海道出身のシンガーソングライターで、この曲は73年に発表された彼の唯一のアルバム『26号線』(CD化されてる)の表題曲であり、シングルカットもされた代表曲。また、つい先日残念ながら解散を発表した羅針盤がライヴのレパートリーにしていた曲だそうです。好きなあの娘に会いに行くという、どうってことない歌詞にどうってことないシンプルなメロディーにどうってことない朴訥な歌唱、なのに何だか無性にジーンとするものだから不思議で。なんてことないのになんてことある曲、日本語としておかしいかもしれないけど、ホントにそういう曲なんです。なんだろな、もっとドラマチックなアレンジにしようと思えばいくらでも出来るのだろうけど、その一歩手前で踏み止まり平熱に保たれているおかげで、どこにでもある日常のほんの1コマを切り取っているかのようなリアリティーが生まれて、スッと歌の世界に入っていける。バックを務めるごまのはえ(伊藤銀次、上原ユカリ裕、藤本雄志)や矢野誠さんもダッチャの歌の世界観や体温をよく理解している素晴らしい演奏。まるでザ・バンドのような温かくて緩やかでイナタいフォークロックサウンド、うーん絶妙ですなぁ。ちなみに、26号線とは大阪市と和歌山市を結ぶ幹線道路で、26号線沿いにはかの有名なロック喫茶「ディラン」があったそうです。

b0061611_22284242.jpg※喫茶ロックシリーズのガイド本は持っております。すっかり愛読書です。ついでにNOWのコーナーで取り上げられているアーティストを紹介しておくと、青ジャージ、青山陽一、小沢健二、カーネーション、かせきさいだぁ、キリンジ、空気公団、クラムボン、グランドファーザーズ、クリンゴン、くるり、コモンビル、サニーデイ・サービス、田中亜矢、浜田真理子、BEGIN、ピチカート・ファイヴ、ヒックスヴィル、フリーボ、benzo、ほい、ママレイド・ラグ、ゆらゆら帝国、ヨシンバ、羅針盤、ラブクライ、ロッテン・ハッツ。そっくりそのまま僕のフェイヴァリットって感じです。
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by kesuike6 | 2005-11-24 22:19 | SONG
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