Big Star 『In Space』('05)
b0061611_9462487.jpg僕はこれめちゃくちゃ好きなんだけどなぁ…。

パワーポップの伝説ビッグ・スターのなんと30年ぶり(!)の新作『In Space』が発表された。メンバー構成はアレックス・チルトンとジョディ・スティーヴンスのオリジナル・メンバーにポウジーズのメンバー2人を加えた新生ビッグ・スター。30年という年数に対する想いはファンそれぞれ違うと思うけど、この新作どうやら賛否両論の嵐が吹き荒れているようで。特にコアなビッグ・スター・ファンにはあまり評価がよろしくないような…。確かにあの頃の得体の知れぬ熱量みたいなのはここには感じられないし、その気持ちも分からないでもないけど、でも、やっぱり往年のビッグ・スターを期待すること自体無理があるように思うな。オリジナル・メンバーは30も年を取ってすっかりオトナ(ていうか、還暦に近い!?)なわけだし、ポウジーズはポウジーズで自分たちの世界観をちゃんと持ってるバンドなわけで、あの頃のビッグ・スターになんてなりっこない。一応ビッグ・スターという名前は使ってるけど、全く新しいバンドと考えてもいいんじゃないかな。この作品に漂う30年ぶりの待望の新作らしからぬ肩の力の抜けたリラックスムード、それが何よりの証拠。僕はこういうのにホント弱いんだな。

全12曲39分、終始ゴキゲンなソウルフルでポップでヨレヨレなロックンロールが次から次へと。ホントもうあっという間で、気付いたらまた1曲目。ポウジーズの多彩で確かなソングライティングや歌唱も魅力的だけど、やっぱりどうしても僕はチルトンが歌ってる曲に惹かれる。1曲目「Dony」なんて、チルトン節炸裂で感涙。彼の歌声とギターは、相変わらず最高に頼りないけど最高にチャーミングなのさ!で、これはきっと大きな波紋を呼んだに違いない「Love Revolution」、なんとディスコ調。さすがに僕も面食らったけど、妙にハマってるんだからビックリ。ていうか、笑いが止まらなかったよ。中にはこういうお遊び感覚が許せない人もいるだろうけど、僕は好き。終盤戦、レコードでいうとB面は、よりオールドタイミーなロックンロールでたたみ掛ける。Go Back To 60's、なんか逆に新鮮だね。ジョディのドタバタドラム、グレイト!ラストの「Makeover」は、余裕のお気楽ジャムセッション。う~ん、渋くてカッコイイぜ。そして、全編通して言えることは、サウンドが素敵にイカしてるってこと。最近のチルトンのソロでは男の哀愁漂う渋枯れサウンドでそれはそれで最高だけど、ここでは躍動感に満ちた実に若々しいガレージサウンド(ひょっとして初期よりも若い!?)。ヴィンテージだけどちゃんと今の時代の空気も感じられて、このバンドに最適な音だと思う。いやホント、こんなにウキウキするパワーポップの作品に出会ったのって久しぶりかもしれないなぁ。少なくとも僕にとっては名盤。

※最近のガレージソウルなカーネーションが好きな人にはお薦めですよ。
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by kesuike6 | 2005-11-28 09:47 | ALBUM(SINGLE)
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