直枝政広&ブラウンノーズ 「あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう」('01)
b0061611_1631482.jpgビッグ・スターの新譜を一頻り聴いて、じゃあ次何聴こうかな、と考えるまでもなく、手に取ったのがこれだった…。

「あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう」は言わずもがな岡村靖幸の青春ソングの眩しすぎる超名曲だけど、直枝さんとブラウンノーズがカヴァーすると、主人公の男子のモテなさ度はさらに急激アップ、尋常じゃない量の汗が飛び散り、バッシューが自分の汗で滑ってすっ転んでる様子が目に浮かぶ。もしくは、あの娘ぼくが…なんて妄想のまた妄想で、試合になんか出たことないベンチを温めるのが専門のダメ選手かもしれない。でも、そいつは下手だけど練習熱心な奴で、最後の試合の最後の最後でレギュラー選手が負傷。監督出させてくださいっ!勇気を振り絞って直訴した「奴」にとうとう出番が回ってくる。ぼくが好きなマネージャーの「あの娘」はチームのエースに夢中、でも、ここでぼくがロングシュートを決めたら…。ラスト3秒あと3点で逆転という場面、競り合いで大きくはじかれたボールが「奴」の目の前に…よし来たーっ!「奴」から放たれたボールは滑らかな弧を描いてゴールに向かって飛んで行く…2…1…ガンッ!…。へたり込むチームメイト、呆然と立ち尽くす「奴」…。30秒後、急に「奴」の目から涙がどっと溢れ出る、汗と涙が混じり顔もぐしゃぐしゃになりながら誰よりも大きな声で泣き叫ぶ…。誰かの手が肩に触れる、不細工な顔で降り返る、「あの娘」だ。うん、カッコ良かったよ。手渡されたタオルで顔を覆い隠す、泣くふりをしてその顔はすっかりニヤけていた。

なんじゃ、このC級ストーリー(笑)。

くるりもこの曲をカヴァーするつもりだったらしいけど、あまりに直枝さんのが素晴らしかったので違う曲にしたと言っている。ホントにその通り、素晴らしすぎるカヴァーだ。直枝さんの喉から血が出そうな熱唱とたどたどしい轟音ギター、ブラウンノーズのパワフルで豪快なグルーヴ。凄まじいテンションだ。間奏では、テンポダウンして粘っこいブルージーなギターソロでしばらく攻めたてると徐々にテンポアップ、とそこへ突然意味不明なスキャットが入り乱れ、そして、一気にアクセル全開パンキッシュに後半戦へ突入していく。この混沌としたアレンジは、まるで辞書を引いて卑猥な言葉を見つけては赤丸を付けている思春期真っ只中の男子の頭の中身を覗いているかのようだ。そういう意味では、岡村ちゃんのオリジナルももちろん最高だけど、このカヴァーの方が曲の世界観をよりリアルに美味く表現できてるような気さえする。それにしても、思春期をとっくの昔に卒業したオッサンたち(失礼!)がこんなに思春期真っ盛りな青臭い演奏をしちゃうんだから、凄いとしか言いようがない。ていうか、まだ卒業してない!?

※『TRIBUTE TO YASUYUKI OKAMURA EP』は、CDよりもアナログ盤の方が断然お薦めです。曲が1曲多いし、江口先生のジャケットがもう最高!
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by kesuike6 | 2005-11-29 16:31 | SONG
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