2005年ライブ納め
b0061611_1273239.jpg西村哲也(弾き語り)/KID AT A-LOW'S
2005/12/18(Sun)@拾得
START 17:00

KID AT A-LOW'S演奏曲目:
ビートルズ「All I've Got To Do」「Misery」「I Need You」やNRBQ「Mona」のカヴァー、オリジナル曲

西村哲也さん演奏曲目(記憶あやふや、順番バラバラ):
「幸せな人生」「ジェルソミーナ」「オー!ベイビイ」「エレクトリック・ラバー」「キッチン・ミュージック」「キャンディ」「グレートハウス・リミテッド」「Great Dream From Heaven(天国からの夢/Ry Cooderのカヴァー)」「悲しみのキトュン」「電源」「冬の庭」「薔薇と戦闘機」「GOOD BYE」

先日の『御堂筋横断』があまりに素晴らしかったので、それからしばらくは今年はこれで満足と思っていたのだけど、なんせ大晦日まではまだ随分日数があるわけで、その間に、Hurricane Night凄まじかった!だとか、ジャック達最高!だとか、そんな悔しい声が聞こえてくる始末、やっぱりこれは何かもう一本観ないと気が済まない。じゃあ、何にしようか?考えながらHurricane FestivalのDVDを観ていると、あ、そういえば12月に西村哲也さんのライブあったよな、と思い出した。なんたって『ウォーターメロン砦』は今年のマイ・フェイヴァリット・アルバムだし、2年前の音楽感謝で青山さんのサポートでギターを弾いている姿は見たことがあっても、まだ西村さんのソロライブはちゃんと観たことが無かったし、共演のKID AT A-LOW'SはNRBQパーティーに出てた人たちだと言うし、会場は僕の大好きな拾得だし、1000円だし、これは行くしかないだろうと。ということで、2005年のライブ納めは西村さんに決定。



神戸の我が家から京都に行くときは、大抵阪急で河原町まで行くのだけど、今回は地下鉄に乗り換えるということで、そのひとつ手前の烏丸で降りなきゃならない、だから切符代は510円となる。それなのに、京都へは600円と思い込んでいるからか条件反射的に600のボタンを押してしまっていた…嗚呼90円。阪急烏丸駅から地下鉄四条駅へと歩く、丸太町までの切符を買って改札を通りホームで待っていると、急にトイレに行きたくなり、トイレどこだろ?探してみるとすごく遠いところにあった。で、用を足してまたホームに急いで戻ると、目の前で電車が出発した…嗚呼。そんな小さなトラブルが続いたけども、ようやく丸太町に到着。ここから拾得までがまた遠い、拾得のサイトには歩いて来ることはお勧めしませんと書いてある、でも、僕は歩く。ていうか、寒い、寒すぎるっ!なんなんだ一体!?僕はとてつもなく方向音痴なので、ちょっと不安になったけど、順調に20分後、ライブ開始30分前に拾得に着く。さすがに中は暖かい。今日は一人で観戦かなと思っていたけど、カーネーションつながりでお知り合いになったTさんがおられたので、一緒に観させてもらう。Tさんは、西村さんの時はいつも一人だから驚いた、とおっしゃってました(カーネーションや青山陽一さんが好きな方は是非とも西村さんのライブ観てみてください)。今日はとにかく寒いので、身体が温まるやつ、ということで泡盛のお湯割りをちびちびと。

7時過ぎ、ライブ開始。まずはKID AT A-LOW'S。僕は素直に“キッド・アット・ア・ロウズ”と読んでいたけど、ローマ字読みをすれば“キダ・タロー・ズ”となる。キダ・タローとは、とれとれピチピチかに料理~♪みなさんご存知の浪速のモーツァルトあの人である。それに気付いたのは、彼らのライブ後、トイレに入ったときだった。ぷっと笑った。で、そのKID AT A-LOW'Sなのだけど、wanDerさんと東京からやって来たAさんとの男性二人組。アコギとエレキギターとリズムボックスという組み合わせで、曲によってボーカルが変わるのだけど、ボーカルはアコギでもう一人がエレキという法則のよう。のっけっからビートルズの初期の割とマイナーな曲のカヴァーを3連発、しかも僕が好きな曲ばかりだったので、密かに彼らと一緒にインチキ英語で歌った。wanDerさんの「I Need You」に絡めてのMCで、ジョン・レノンが亡くなった日はみんな覚えてるのにジョージ・ハリスンが亡くなった日は誰も覚えてないですよね、とおっしゃっていて、ああー確かにそうだなぁとちょっぴり切なくなってしまった。ある意味、それもジョージらしいのかな。後は、NRBQのカヴァーやお二人それぞれのオリジナル曲を披露。いい按配に肩の力の抜けた小粋でフォーキーなポップソング、まるでラヴィン・スプーンフルのようだなぁと思った。Aさんの曲に、犬は視力が良すぎてカラフルなテレビ画面も灰色に見える、という詩があったのだけど、僕はそのことを初めて知った。最後の曲「G.I.ブルース」では、西村さんも加わり三人でセッション。西村さん、パッと見は日曜日の家族想いの素敵なお父さん的風情なのに、エレキギターを持つと、一瞬で狂暴かつ色気あるロックギタリストに豹変、もうめちゃくちゃカッコイイ!指の動きは飄々としているのに出てくる音は泥臭くこってりブルージー、僕が死ぬほど大好きな音。これなら何時間でも聴いていたいよ。それにしても、グランドファーザーズというバンドは、西村さんと青山さんと、こんなスゴイ音を出すギタリストが二人もいたのだから、それはそれは恐ろしいバンドだったというのは想像に難くない。嗚呼、一度でいいからグランドファーザーズのライブが観たかった…。

b0061611_20294240.jpg数分後、引き続き西村さんのライブ。この日はアコギ一本での弾き語り、一人だけでこんなに長くやるのはほとんど初めて、とおっしゃっていた。1曲目「幸せな人生」は、もちろん曲自体もカッコ良いのだけど、何と言っても首にぶら下げたハーモニカのフレーズが渋くて男気溢れていて、まるでボブ・ディランのようだ!と思った。後のMCによると、今回のライブの見所はハーモニカで、随分久しぶりに演奏するとのこと。というのも、お察しのようにボブ・ディランのドキュメンタリー映画『NO DIRECTION HOME』に影響を受けたんですよ(笑)、まぁどうしたってあんな風にはなれませんけど…と謙遜なさっていたけど、いやいや負けてませんよ、と言いたいです。でも、やっぱりハーモニカに慣れてないようで、外すときに頭に引っ掛かって「痛っ!」とか言いながら、けっこう苦労されてました(笑)。それにしても、西村さんのMCはかなり脱力気味で微笑ましくて。1曲目の後、何の脈絡も無くいきなり、「あのー、こう何か物が無くなって、いくら探してもどこにも無くて、で、一頻り探した後に最初探したところに戻ってくるとあっさり見つかったりすることよくありますよね?年取ったからなのかなぁ。でも、あれって、最初そこには本当に無かったんですよ、物が自ら見つからないように隠れてるんです。で、お願いだから出てきてくださいと念じて一生懸命探していると、物がしょうがないなぁと出てきてくれる。僕はそうだと確信したんです。」…あはは、なんのこっちゃ?とまぁそんな感じで随所にクスッと笑わせていただきました。いやはや、西村さんは演奏するとき以外はホント普通の人だなぁ、なんて(失礼!)。でも、なんかやっぱりそのギャップがいいんですよねぇ、と女の子がよく言うセリフを使ってみたり。

で、まぁMCのことはこれくらいにしておいて、肝心なライブなんですが。弾き語りでアコギ一本というと、ほとんど素っ裸に近い状態なので、曲の良し悪しがもろに出てきてしまうし、仮にそれが良くない方向に出てきてしまうと飽きちゃって聴いてられないってこともある難しいスタイルだと思うのですが、西村さんの場合、その辺はもう全く問題無しというか、むしろ曲の良さがより一層際立って、いやぁ~イイ曲だなぁと唸ることもしばしば。そして、西村さんの歌。『ウォーターメロン砦』で、ボーカリスト西村哲也を強く印象付けられたわけだけど、生で聴いてもやはり素晴らしかった。西村さんの書くメロディーは歌うのが難しそうなんだけど、もうすっかり身体に染み付いてすごく自然に歌っているなぁという感じがしました。なので、聴いている方もすごくリラックスできて心地良かったです。僕は『ヘンリーの憂鬱』と『ウォーターメロン砦』の曲しか知らないのだけど、新曲含め聴いたことない曲いずれも曲調が異なっていても西村節がしっかりとある名曲ばかりでした。特に、フランソワ・アルディにインスパイアされて作った、ていうかパクッた(MCより・笑)「キャンディ」という曲が好きです。チャーミングと奇妙が同居している不思議な雰囲気を持った曲で、中毒度高し。ジョージに捧げますと言ったKID AT A-LOW'Sに対抗して、ポール・マッカートニー&ウィングスに捧げられた(?)、養老院をテーマにした「グレートハウス・リミテッド」も、ウィングスのような派手さはないけど、これまた独特のポップ感を湛えた曲ですごく良かったです。あと、オープンGチューニングに合わせて、ライ・クーダーのカヴァーをさら~と弾いたのがまたカッコ良かったなぁ、さすがです。

拾得は現存する日本最古のライブハウスと言ってもいいくらい歴史ある場所、でも、だからと言って敷居が高くて人を選ぶというわけではなくて、大人がゆえの懐の深さというか、音楽を愛する人全てを優しく包み込んでくれるような温かさがある。いや、それどころか、なんかユルい。例えば、天井のライトがずれていると、マスターのテリーさんがステッキみたいなので突っついて直したり(直ったのかも微妙)、西村さんがマイクの高さの調整をしていた時、ネジが固くて苦戦しているのを見ると、すいませんと言ってテリーさんがガムテープで止めたり。僕はこのユルさがたまらないです、ほっと落ち着きます、拾得ホント好きです、できれば拾得の側で暮らしたいです。で、そのような穏やかでリラックスムード溢れる空間に、今回の二組の演奏はとても合っていたと思います、楽しかった!嗚呼、これで気持ち良く年を越せそうだなぁとしみじみ感慨に耽りながら外に出ると、雪がちらちらと。うぅ、寒い…。
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by kesuike6 | 2005-12-19 01:29 | LIVE
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