青山陽一 『BROKEN WORDS AND MUSIC』('05)
b0061611_138111.jpg2006年の「ゆる~く行こうぜ♪」、まず1発目に取り上げるのは、やっぱりこれでしょう。青山陽一2枚組ベストアルバム『BROKEN WORDS AND MUSIC』。

98年発表のメジャーデビューシングル『最後はヌード』から最新アルバム『ODREL』までの代表曲を13曲、さらに未発表の新曲3曲にカヴァー曲1曲、その上ライブテイクが10曲という凄まじいボリューム、アオヨービギナーもアオヨーフリークもまとめてかかってこんかい!な濃厚ベストアルバム(しかも、3000円!安すぎっ!)。青山陽一という世界規模で見ても相当ユニークなシンガーソングライター&ギタリストの魅力が存分に味わえる内容になっている。キリンジ、くるり、曽我部恵一、鈴木茂、堂島孝平、小林建樹、ジム・オルーク(!)と、ミュージシャンに青山陽一ファンは数多くいるのに、一般的な知名度はまだまだ低いのが実状。なんとかこのベストアルバムが起爆剤となってくれることを切に切に切に切に願う。こんなとんでもない才能を埋もれさせておくのはあまりに勿体無さ過ぎる、切な過ぎるよ。シュガーベイブ再評価もいいけど、今の日本には青山陽一がいるじゃないか!と僕は大声で言いたい。こうなったら『メガネ男子』がきっかけでもなんでもいいや、とにかく彼の音楽にたくさんの人が触れて欲しい。そして、痺れて欲しい。これぞ真のポップス。



と、ここからは、個人的な感想を。僕は過去の音源はもう全部持ってるので、それ以外の未発表曲やライブテイクについて喋ろうと思います。

新曲「月曜のバラッド(early version)」は、『ODREL』の延長線上にあるようなフォーキーで軽快なナンバー。青山さんの解説にはジョニ・ミッチェルなイメージとあったけど、僕はSAKANAを思い出した。“ママと仲良く暮らして/パパに見覚えはないと言われ/大人になるなら 今夜は勝手な子どものふり”なんだか複雑な親子関係…。「Rain Dog(early version)」は、一転して、ズシリとヘヴィーな轟音ロック。反復されるギターリフがおどろおどろしい。“健康煙草で家を全焼らしいが”って、スゴイ歌詞だなぁ。「世にも奇妙な女(guitars version)」には、堂島孝平が作詞とボーカルで参加している。それこそシュガーベイブにも通じるグルーヴィーで爽やかなシティポップス。堂島くんの声はそんなに得意な方ではないけど、この曲での彼の歌声は意識的なのか曲調のせいか、いつもより落ち着いたアダルトな雰囲気でなかなかいい感じ、見事にハマっている。一番のお気に入りかな。トラフィックのカヴァー「Don't Be Sad」は、ムーンライダーズ鈴木慶一さんとのデュエット。オリジナル未聴なので、どう料理されているのか分からないけど、カッコ良くキまってると思う。ポップなんだけどやっぱりどこか捻くれていて、青山さんが好きそうな曲だというのは一聴瞭然。それにしても、慶一さんが歌うとライダーズの曲にしか聞こえないのがスゴイ。

続いて、ライブテイクについて。まずは04年7月15日@渋谷クラブクアトロのテイクを5曲、この時のブルーマウンテンズ(BM's)のメンバーは、青山陽一(vo, g)夏秋文尚(d)千ヶ崎学(b)田村玄一(g, pedal steel, talkvox )冨田謙(key)石川優美&飯田希和(cho)。この編成はなんといっても女性コーラス隊の妖艶なハーモニーが分厚くめちゃくちゃ強力で、それは人力サイケとでも言おうか、ただでさえ奇妙な青山ワールドがますますヤバイことに…これはR‐18指定にした方がいいのでは!?とりわけ「Sweet Home」でのコーラス隊は圧巻、相当危険な香りが漂ってる。「94」の太いグルーヴとブルージーなギタープレイ、「Come And Go」の目から鱗な終わり方、「I Don't Know But You Know」のクール&セクシーなアンサンブル、「Ultra Sonic Bicycle」のちょっとヨレッてるけどファンキーに行き切る男気など、聴きどころ満載。後半の5曲は、01年6月26日@渋谷クラブクアトロのテイクで、メンバーは、青山陽一(vo, g)石坪信也(d)青木孝明(b)田村玄一(g, pedal steel)伊藤隆博(key)川口義之(sax, per)。96年から01年まで続いた第2期BM's、しかも最後の方のライブなので、さすがにバツグンに息の合った演奏だ。 この編成でライブビートに99年と00年に2回出演したことがあるけど、当然と言えば当然のことだが、その時よりも確実にバンドとして完成度も増しているしタフになっている。そして、スティールパンの響きが妖しいインスト「停電」に新たに陽気なレゲエパートを付け加えるという、思いきった実験が出来る大人の余裕にニヤリ。「満員電車のモラル」の気だるくヘヴィーなブルーズにボディーブローを食らい、ジャジーな「難破船のセイラー」のまさに波がうねっているかのような横揺れグルーヴに船酔い。「Tragic Magic Home」のファンキーなギターカッティングに乗せて自然とステップを踏み始め、「Bonanza Boogie」で狂おしく疾走する。嗚呼、生でライブが観たい。そう思わせてくれるライブテイク、つまりは最高ってこと。僕としては、あと長尺ジャムナンバーが一つでもあれば最強だったかなと思うけど、それはまた次のお楽しみということで。

※ついに念願のライブDVDが3月24日発売か!
http://www.hmv.co.jp/product/detail.asp?sku=1409711
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by kesuike6 | 2006-01-07 01:41 | ALBUM(SINGLE)
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