ザ・コレクターズ 『UFO CLUV』('93)
下のくるりの記事を書いてから、久しぶりに『さよならストレンジャー』を聴いた。7曲目「トランスファー」のイントロのギターフレーズが耳に飛び込んできた時に、あれ?なんかどっかで聞いたことあるフレーズだなぁと思って、記憶の検索エンジンにかけてみると、すぐに出てきてくれた。そうだ、コレクターズの「Monday」だ。という流れで、その「Monday」が収録されている『UFO CLUV』をこれまた久しぶりに聴いた。高校の体育祭で「世界を止めて」が流れて密かに嬉しかったことや、入試でとある大学に向かうバスの中で、コレクターズ出演時のライブビートのエアチェックテープをウォークマンで聴いたことをふと思い出した。あと、99年のクリスマスに京都駅ビル室町小路広場で寒い中独りで観たコレクターズとカーネーションのライブも・・・。



コレクターズとカーネーション。ヒットチャートに関して随分と寛容になった(ほとんど諦めに近い)とは言え、コレクターズとカーネーションがヒットしてないということだけはどうにも解せない。こんなにポップでキャッチーで、一体何がいけないんだろうか?いや、何となくその訳は分かっている。チャンスがあったとすれば、いわゆる渋谷系と呼ばれる音楽が流行った時。コレクターズもカーネーションもきっとその大きな渦のすぐ傍にいたと思う。でも、何せ不器用というか頑固というか捻くれものというか、相も変わらず我が道をひたすら突き進み決して擦り寄っていかなかった。そう、どうしても男臭くなってしまうのがこの両ロックバンドの性。だからこそ僕は惹かれるのだが、どうやら世間はそうは感じないらしい。ダサカッコ良さの美学、そういう微妙な感覚、やっぱりわかりづらいのか・・・。そんなことを言ってると、余計ややこしいバンドに思われてしまいそうだから止めておくよ(ややこしいだなんてどんでもない!)。

b0061611_14323619.jpg今回はコレクターズが主役なので、大好きな『UFO CLUV』について喋ろう。いやもう、モッズがなんだフーだのキンクスだのスモールフェイセズだのピンクフロイドがどうした、そんなちっぽけなジャンルやマニアックな視点を飛び超えて、ただひたすら爽快に突き抜ける極上のポップアルバム。ロマンチックで切なくて狂おしい加藤ひさしワールドがこれでもかと堪能でき、聴き終わった後誰でもいいから愛してるよベイビー!と言いたくなる(言ったことはないけど)。「愛ある世界」であの甘く濃厚な歌声であれだけ“LOVE”という言葉を連発されたら、こんな世知辛い世の中でも愛は確かに存在しているのかもなと誰もが思うに違いない。嗚呼、それって素敵じゃないか!中盤、「Monday」から「世界を止めて」の怒涛のラブソング攻勢では切なさが膨張しすぎて胸がはち切れそうになる。特に関西限定でヒットした「世界を止めて」は、照れ臭くて素面でとても口に出来ないようなあまりにも直情的な歌詞で、今時ダサいのかもしれない。でも、加藤ひさしが歌うとめちゃくちゃカッコイイんだ!実に絵になる。で、僕はこう思う。もし好きな女の子とカラオケに行って、ここが勝負!と感じたならば、迷わず「世界を止めて」を熱唱するべきだ。大抵加藤ひさしのようには歌えないから、相当に恥ずかしいムードになるだろうけど、その想いは痛いほど伝わるはずだ。「世界を止めて」が日本中の男子の勝負曲になっている状況は決して悪くないし、僕も来るべきその時のために今から練習しておこう(笑・ていうか、この曲カラオケに入ってるの?)。後半、ジャクソン5な「5・4・3・2ワンダフル」で軽やかなステップでダンシングタイム汗をかき、「THE HAMMER AND SICKLE」「U・F・O」でのロマンチッカーとはまた一味違う現代社会への嘆きロックンロール詩人の顔、その重厚なギターサウンドと相俟って、俺たちはロックバンドだぜ!と強く印象づけてアルバムは幕を閉じる。紛れもない傑作だ。

翌年、カーネーションはコレクターズと同じコロンビアに移籍、『EDO RIVER』を発表した。

※件のクリスマスライブで、巨大なツリーの下で歌われた「世界を止めて」はそれはもう格別だった。それだけで十分素敵なクリスマスだったと思う。その日生まれて初めて観たカーネーションのライブは・・・この話をすると直枝さんに嫌な記憶を呼び起こさせてしまうので言わないでおこう(笑)。
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by kesuike6 | 2006-02-11 14:33 | ALBUM(SINGLE)
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