ビバ☆シェリー 『viva sherry』('03)
5年暮らした京都から神戸にやって来て3年目になるのですが、今でもずっと京都が恋しいのです。じゃあなんで京都が好きなのかと考えみますと。京都には独特の捩じれがあるのです。真偽はともかく京都人には裏表があるというイメージがつきまとっていますし、街に出れば歴史ある建物と新しい建物が平気で渾然一体になっております。一体、大きいのか小さいのか、速いのか遅いのか、深いのか浅いのか、優しいのか冷たいのか、明るいのか暗いのか、美しいのか醜いのか、眠っているのか起きているのか、イマイチはっきりしない街なのです。僕にはその掴みどころの無さがとても魅力的に思えまして、それゆえに飽きが来ないのです。そう、変な街なのです。

b0061611_14244778.jpgそのような意味で、実に京都らしい女の子バンド、ビバ☆シェリーの1stアルバムを紹介しようかと思います。ビバ☆シェリーとはピアノ&ボーカルのサトさん(全曲作詞作曲)とドラムスのヒメコさんからなる二人組であります。この作品は日本のミッチェル・フレームこと元カーネーション棚谷祐一さんがプロデュースしておりまして(おそらく同じく京都出身で交流のある実力派ロックバンドChainsからの紹介があったのでしょう)、相変わらずの丁寧且つダイナミズムを失わない見事な仕事ぶり(随所で棚谷さんらしいフレーズも飛び出します)にただただ唸るばかりなのですが、もちろんのこと、それもこれも素材が素晴らしいからこそであります。

ビバ☆シェリーとはなんとも可愛らしいバンド名ではありますが、その音楽はポップな肌触りでありながら奥底では少しエキセントリックに屈折しております。エゴ・ラッピン、クラムボン、チボ・マット、安藤裕子と言ったオルタナ世代の女性アーティストの顔が次々と浮かんではきますが、そのどれとも異なるビバ☆シェリー節というものがしっかりありまして、それは独特の暗さであったりどこか抜けきらない感じとでも言いましょうか、大抵がマイナスイメージに働いてしまう要素であるのにも関わらず、彼女らの場合それがなぜだかチャームポイントになっているのです。実に不思議な現象ではありますが、実に京都らしいとも言えましょう。そしてまた、曲単位であるならば女の子がiPodで聴いている姿がバッチリと絵になる曲ばかりなのに、アルバム全体で見ると全6曲見事にてんでバラバラでして、なかなか一つのジャンルで説明できないところもやはり京都らしいのです。なんだか京都、京都とまったくうるさいのですが、「あじさい」や「星砂」という曲などは京都がどうとかを通り越して全国的大ヒットしてもおかしくないと思うのです。しとしと泣いてくださいませ。

※棚谷さんと岡村詩野さんによる推薦コメント
http://www.beatink.com/TheDeli/d_cg/cb1025.html?body=cb1025_f.html
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by kesuike6 | 2006-02-17 14:30 | ALBUM(SINGLE)
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