Jules Shear 『Dreams Don't Count』('06)
いやああぁぁ~~~よかった、よかった…なんかこう嬉しいというよりホッとしたって感じです。上原の一球一球丹念に気持ちを込めた丁寧なピッチング素晴らしく、そして、何と言っても福留のホームランが効きましたねぇ、チームや彼自身の鬱憤を一気に吹き飛ばすドデカイ一発でした。その他にも、陰でしっかりチームを支えていた宮本の渋いタイムリーや苦悩していた多村の技ありのホームランとか感動ポイントも多く、非常に良い勝ち方でしたね。この勢いだとキューバ戦もかなり期待できそうです、あともうひとふん張り。頑張れ、Oh!JAPAN!それにしても、日本VSキューバという決勝カード、主催国アメリカが思い描いていたストーリーと全然違う形になって、なんだか痛快です。凄いチームではなく良いチームが勝つ、これぞ野球です。

b0061611_054439.jpgこのWBCでまたもやイメージを悪くした感のあるアメリカですが、僕が今年初めて買った新譜はアメリカものです。それはジュールズ・シアー『Dreams Don’t Count』。とてつもなく地味でとてつもなく滋味な作品です。ジュールズの渋い歌声とそっとつまびかれるアコースティックギターにアコーディオンやチェロやヴィオラなどがほのかに彩りを添えるという極めて素朴なアレンジ、そこには何の驚きも新鮮味も無いけれど、ものすごく豊穣な音楽。それは何と言ってもやはりジュールズの歌力、これに尽きるのです。決して美声とは言えないけれど、人生の苦味や切なさが喉の奥から滲み出ているような歌声とでも言いましょうか、なんかこう温もりというか体温を感じるのです、平熱よりほんの少し高いくらいの。それゆえに彼の歌声は僕の身体にスーッとあまりにも自然に滑らかに染み込んできて、僕の体温もほんの少し高くなって心地良くなります。本当に魅力的な歌声なのです。

つまり、良い声で良い歌を歌う、この作品はただそれだけです。それでじゅうぶん心は動かされるのです。決して百万枚売れなくてもロックの歴史に残らなくても、きっとどこかの誰かにとってすごく大切なレコードとなるのでしょう、そんな様子がはっきりと目に浮かぶ作品です。この忙しいご時世、『Dreams Don’t Count』をBGMにほろ苦いコーヒーを一杯、ちょっとだけ贅沢なひと時なのかもしれません。

2003年10月26日@磔磔、鈴木祥子さんと直枝さんがデュエットで歌ってくれたジュールズの「The Last In Love」が未だに忘れられません(涙)。
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by kesuike6 | 2006-03-20 00:55 | ALBUM(SINGLE)
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