西岡恭蔵とカリブの嵐 『'77.9.9 京都「磔磔」』('77)
ここ最近めっきり寒くなってきました、ついに冬到来ですね。なので休日のたびに我が家の夕食は鍋、と言ってもそんな豪勢なものではなく、白菜に豆腐に油揚げにウインナーに発泡酒という何とも貧相な500円鍋なのですが、それでも十分最高に幸せな気分になれるのだから冬に鍋って偉大だなと思う今日この頃、いや、単に僕が安上がりなだけか・・・。ともかく、寒風に吹かれ身体は冷え切り鼻水が止まらなくても、せめて心だけはほんわか温かくしておきたいものです。

b0061611_162513.jpgそれにはこんな素敵なライヴアルバムなんてどうでしょう。西岡恭蔵とカリブの嵐『'77.9.9 京都「磔磔」』、確実に心の芯までポカポカにしてくれます。つい先日、久しぶりに覘いた元町の老舗レコード屋さんにこのLPが壁面に飾られていて、それを見た瞬間「これや!」神のお告げ、吸い寄せられるようにレジに持って行きました。足早に帰宅後、早速レコードに針を落とせば、そこからは実に心地好く味わい深い歌と演奏と空気が・・・すっかり心奪われました。そして、何度も何度も繰り返し聴きながら調べてみると、どうやら未発表テイクやMC含めライヴを完全収録した2枚組CDが出ているらしいことを知り、その日のうちに注文したのでした。

そのタイトルの通り、1977年9月9日に京都の酒蔵を改造した名ライヴハウス磔磔で行われた西岡恭蔵とカリブの嵐のライヴ。全24曲弾き語りとバンド演奏とを織り交ぜたニ部構成になっていて、第一部は「サーカスにはピエロが」や「プカプカ」と言ったお馴染みのナンバーを第二部は当時の最新作『南米旅行』からの曲を中心に選曲されています。言うまでもなく、とにかくどの歌も名曲ばかり。やわらかで明るくてでもどこか切ないメロディーは、恭蔵さんの穏やかな小林旭といった風情の大らかでいなせで優しい歌声と折り重なって、僕の心にじんわり響き、気が付けば幸せ気分に浸りながらホロリと泣いています。そしてまた、そんな恭蔵さんのええ歌をさらにふくよかにする歌心溢れるカリブの嵐の演奏がホントに本当に素晴らしくて(涙)。そのカリブの嵐とは、林敏明(Drums&Conga:ハックル・バック、小坂忠とウルトラetc)、山本正明(Bass:小坂忠とウルトラetc)、難波正司(Piano&Organ:アイドル・ワイルド・サウスetc)、国府輝幸(Piano:ソー・バッド・レビューetc)、洪栄龍(Electric Guitar:DEW、乱魔堂etc)という70年代に想いを寄せる僕にとってはもう夢のようなバンド、どうやらこの日の為だけに結集したバンドのようですが、皆の息はピッタリ押し引き具合も絶妙でゆったりと気持ちのいいグルーヴを聞かせてくれます。

ハイライトは、LPではB面ラストの「Gypsy Song」。「・・・できれば、あのジプシー達のように、全く何も身にまとわずに、ブラブラブラブラと、世界各国歌を書きながら旅出来たら、もう私の一生はそれでいいような気がするんですけど・・・」という泣かせるMCに続き始まる、感動的な名曲、感動的な演奏です。洪さんのカーティス・メイフィールドばりのトロけるワウワウギター、林さんの激しく胸を撃つ力強いドラム、恭蔵さんの精一杯声を振り絞る熱き歌唱に僕は大粒の涙。大袈裟でも何でもなく、僕の人生の大切な歌のひとつになりました。

ライヴはそのミュージシャンの裸の音楽性と同時にその奥に潜む人間性にリアルにダイレクトに触れる機会であると思うのですが、僕の場合、とりわけその人間性というのがより重要らしく、つまり、そのライヴが肌に合うか合わないかの最終的な決め手は人間性なのかもしれないなどとライヴを観るたびに強く感じます。そういう意味でも、このライヴ盤はグッときて仕方がないのです。恭蔵さんとカリブの嵐の面々はもちろんお客さん含め磔磔にいる全ての人が愛おしい、そんな気さえします。ホンマにええライヴです。

今日も鍋だな。
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by kesuike6 | 2006-12-02 16:05 | ALBUM(SINGLE)
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