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西村哲也 / チョウ・ヒョンレ with P.P.H
2007/02/11(SUN)@京都エル・ラティーノ
START 19:30

「西村さんは、このあいだの12月の青山(陽一)さんと一緒にやったライヴを観に来て下さって、気に入ってくれて、ライヴ終わった後に初めてお会いして、ライヴのお誘いを受けました。西村さん、呼んでくれてありがとうございます。」
「さっきチョウさんも言ってたように、去年の12月にチョウさんのライヴを初めて観てすごく気に入って。で、ライヴ終わった後、むりやり楽屋に押しかけて、青山に、ねぇ紹介してよぉ、と頼んで、チョウさんに会わせてもらって、いきなりライヴ誘ったんですよ。チョウさんにしたら、なんか変なおっちゃんがいきなり来てびっくりしたと思うけど(笑)、快く誘いを受けてくれてありがとう。」
そんな実にアナログな経緯で実現したこのライヴ、互いの人柄が滲み出たユルくて(笑)心地好くてめちゃくちゃ楽しいひとときでした。

会場の京都エル・ラティーノは、陽気でオモロイおっちゃんが店主の雰囲気と居心地のすこぶる良いメキシコ料理店。メキシコゆえにミュージシャンだけでなくプロレスラーもたくさん訪れているようで、店内にサインや写真が無数に貼ってあり、プロレス好きの僕は興奮(帰り際に三沢光晴のサインを見つけて大興奮!外には越中詩郎の写真もやたらいっぱい、真面目メガネをかけてイイ人そうだった)。心配だったお客さんの入りは、チョウさん人気のおかげで(笑)、小さいお店とは言えギッシリ(30人くらいかな)、お客さんワイワイガヤガヤ厨房てんやわんや、ええ感じに活気に溢れてました。おかげで開演30分前に到着した僕は席を確保するのも一苦労だったのですが、なんとか席に腰を落ちつかせ早速お酒を注文、やっぱりメキシコと言えばコロナビール!やって来たコロナビールはライムが大きくてビンの中に押し込むのが大変でしたが、その分爽やかで美味しかったです。そんなこんなでチョウさんがテレキャスターを抱えてステージにやって来ました。まぁステージと言っても、店の端っこに強引に作ったそれこそ1畳半くらいのステージなんですけどね。

西村哲也 / チョウ・ヒョンレ with P.P.H_b0061611_23592431.jpgパパになって2回目のライヴになるチョウさんはビールをあおりながら、いつになくリラックスムード、終始気分良く歌ってましたねぇ(お喋りも快調)。チョウさんのアーシーで人間味のある温かい歌声はエル・ラティーノの雰囲気と似合いすぎるくらい似合っていて、いつも以上に心にじわっと響いてくるものがありました、すごく気持ち良かった。個人的に嬉しかったのは「冬の日の情景」を演ってくれたこと、しかも長尺デッドバージョン(?)で。チョウさん曰く「あのバンドの分厚さをなんとか一人で表現できないかなぁと試行錯誤して、こんな感じになりました」、いやぁもう十分表現できてましたよ、音の寂しさなんて微塵も感じなかったし、圧巻でした。とは言え、実はチョウさんのステージで会場が一番盛り上がったのはジェフ・マルダーの日本語カヴァー「もう少しだけ」で、思わずチョウさん「えっ?こんなん受けるんですか?それなら、もっとこんなん用意しとけばよかった」と言ってましたが、やっぱり京都はブルースの街なんでしょうかね。それにしても、今日のチョウさんは本当ゴキゲンで(ていうか、酔っ払ってた?)、京阪電車のきわどいMCは可笑しかったし、ジェフ・マルダーの思い出話で「SMALL TOWN TALK」の触りのフレーズを弾いてくれたり(で、結局やらへんのかい!というツッコミもありつつ)、お客さんのリクエストに応えて「ええーっ、それは全然やってへんから無理やわぁ」と言いながらも「道々」を思い出しながら限界まで気合いで演奏してくれたり、とサービス精神旺盛でした。で、最後は「ここまでええ感じに来てるから、この流れを壊したくないなぁ」と延々悩んだ末、「白い雲の下」で締め、ゆるやかに西村さんにバトンタッチしました。

西村哲也 / チョウ・ヒョンレ with P.P.H_b0061611_23595685.jpg西村さんはすっかりソロ弾き語りだと思い込んでいたのですが、大前チズルさん(Key)と中島かつきさん(Bass)が加わったバンド編成でした、なんだか得した気分。あの狭いスペースで3人ひしめき合いながらの演奏、でも一音鳴っただけでええバンドやなぁと思わせる音の説得力はさすが!身体が自然と揺れます。いきなり初お披露目の新曲から始まったのですが、これがまたメロウで切なくてまたもや超のつく名曲、西村さんのソングライティングの冴えっぷりに早速度肝を抜かれました。続く新曲「ひまわり」なんか特にそうなのですが、ポーク・パイ・ハッツのサウンドを僕なりに表現すると、西村さんの土臭くソウルフルな歌唱と大前さん&中島さんのアーバンで黒っぽい感覚が混ざり合ったグルーヴィーロック、その見た目に反して(笑)意外とオシャレだったりします。この日はとりわけ小粋な演奏で、エル・ラティーノの雰囲気と相俟って、パブロックという言葉がピッタリくる感じでした。それこそブリンズレー・シュワルツみたいで、いやぁカッコ良かったですよ。途中、チョウさんがエレキギタリストとして加わり、西村さんの「夢のランデブー・ドッグ」「幸せな人生」を。「夢のランデブー・ドッグ」なんて相当珍しいのではないかと思いますが、チョウさんの味のあるカントリーギターがバッチリ決まって、個人的にはこの日のハイライトだと言ってもいい愉快な演奏でした。「幸せな人生」でのスティーヴ・クロッパーばりのファンキーなギターソロも痺れたし、まぁラリーパパ時代からそうなんですが、僕はギタリストとしてのチョウさんも大好きなのです。本編ラストのお馴染み「HEY HEY」は、スペース的に西村さんが暴れられなかったのが非常に残念でしたが(笑)、それでも会場は熱く燃えていました。

そして、一旦ステージから引っ込むのも一苦労なので、すぐさまアンコールセッションへ。再びチョウさんを呼び込み、さらにひしめき合ってチョウさんボーカルで「機関車」「狼の好物は迷える子羊」。「機関車」の演奏前、西村さんがマイクをチョウさんに向けるとチョウさん「この曲は西村さんが歌った方がいいんじゃないですか?さっき聴いてて、西村さんの歌声が若き日の(小坂)忠さんに似てるなぁと思ったんです」、おおーそれは僕も感じてたことなんですよ!確かに忠さんに似てるんですよね。それでも(それでもってことはないか・笑)、チョウさんボーカルの「機関車」は今回も感動的に素晴らしかったです。特にこの日はバンドなので『HORO』バージョンにより近づき、西村さんのスライドの枯れた響きがまた切なく、余計に沁みました。ラストの「狼の好物は迷える子羊」は、なんと西村さんとチョウさんのダブルスライド(!)でねっとりブルージーに豪快にキめてくれました、いやぁもう最高です。おかげで西村さんなんだか盛り上がっちゃって「イエー!」とか叫んでたら、大前チズルさんが「イエー!じゃなくて、メンバー紹介してくれないんですかっ!」と冷静かつ鋭いツッコミ、たじたじになりながら西村さんメンバー紹介、グダグダな終わり方でしたが(笑)、まぁそれもポーク・パイ・ハッツらしいですね。

それにしても西村さん(ポーク・パイ・ハッツ)とチョウさんとの相性の良さは僕が想像していた以上で、いい意味でビックリしました。気も合うのか、チョウさんがすごく楽しそうだったのがとりわけ印象に残りました。これで互いに何か新しい展開が生まれてくれるとファンとしても嬉しいんですけどね。

嗚呼、楽しいライヴだった。そして、この日お会いした皆様ありがとうございました!

※西村さん曰く、4月8日(日)@拾得は「レコ発」ライヴ、とのことですぞ!
by kesuike6 | 2007-02-12 17:59 | LIVE
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