ラリーパパ&カーネギーママ『LIVE』('04)
b0061611_11432248.gifラリーパパ&カーネギーママの通算4枚目の新作は過去の3作(第1期ラリーパパ)を総括するそれはそれは素敵なライブアルバムでした。最近はこればかり聴いています。果して今の20代のバンドでこれほどライブを聴かせられるバンドがいるのでしょうか?

サニーデイサービス以降、はっぴいえんどチルドレンと言われるようなバンドが続々と出てきていますが、その多くが結局のところ「それってサニーデイチルドレンでしょ?」と言いたくなってしまいます(それが悪いとは思いませんが)。そういった状況の中、ラリーパパは“はっぴいえんど”や“はちみつぱい”(あるいは“センチメンタル・シティ・ロマンス”や“ザ・バンド”や“グレイトフル・デッド”など)と本気でタイマン勝負しているバンドだと思います。とか言っても、彼らにしちゃあそんなことは全く意識してないんでしょうけどね。そう、そこがまたいいんですよ。もちろん、今挙げたようなバンドはメンバー自身も大好きなんでしょうけど、それが意図して生み出されたサウンドではなく、何気なく身体から出てきたらこんなサウンドになっちゃいました、というナチュラルさがいい。片意地張ってないというか、肩に力が入っていないというか。

そういうナチュラルさを出せるようになるにはそれなりに年月が必要で、若いうちはどうしても力入っちゃうんですよね。だから、ラリーパパの音楽はオヤジ臭いとか言われるんですよね。・・・まぁそれはある程度は当たっているのかもしれないけど、よくよく考えると60、70年代ではラリーパパのような若くてもアダルトな音楽をやってたシンガーソングライターやバンドはたくさんいたわけで、別にそれが変わってるということでもなく時代に溶け込んでいたんじゃなかったっけな?今では、ラリーパパのようなバンドはある意味異端ですからね。それは時代の移り変わりのせいだと言われればそれまでだけど、それにしてもちょっと音楽シーン全体が幼稚になってきているような気がする(これ、毎回言ってるんですけどね)。ま、そんなことはどうでもいいんですけど、とにかくラリーパパがこの時代にいてくれたということに感謝というか、ホントに出会えて良かったと心底思います。

良いバンドというのは、すぐにメンバーの顔と名前を覚えられるバンドだと思います。それは意識して覚えようというのではなく、自然と覚えてしまうのです。ラリーパパはまさにそういう感じで、5人もメンバーがいるのですがすぐに顔と名前を覚えてしまいました(他に5人以上のバンドで名前を覚えているのはカーネーションとザ・バンドくらい)。決してメンバーそれぞれがキャラクターの強いバンドではないのに。それは明確なフロントマンがいない(一応、チョウさんなのかな?)こともあるだろうし、それ以前に5人の音が過不足なく絶妙にブレンドされているまさしく“バンド”であるということが大きな要因なのではないでしょうか。それぞれが決して自己主張はしないのだけど、それぞれの音に顔がはっきりと見える。誰が欠けてもいけないし、この5人でなければ出せない音。このご時世、そういう正真正銘の“バンド”というものになかなか出会えないですよ。

このライブ盤では、ラリーパパのそんなバンド力がいかんなく発揮された素晴らしい出来になっています。終盤、ブラック・ボトム・ブラス・バンドのホーン隊が加われば、すぐさま思い出すのはザ・バンド『Rock of Ages』。『LIVE』を聴いた後、思わず『Rock of Ages』のレコードを引っ張り出してきて針を落としましたが、ラリーパパは決して負けてないですよ。歌に寄りそう骨太でたおやかなグルーヴに支えられ、時にメロウに時に熱っぽく歌われるソウルフルなヴォーカル。何と言ってもこのバンドの強みは二人の優れたシンガーがいるということ。ただひたすらにいい歌をいい声いいハーモニーで歌い、いい演奏いいグルーヴで盛り立てる、ただそれだけ。結局、時代を超えて後世まで歌い継がれる音楽というのはそのシンプルな部分でどれだけ心血注いでいるか、そこにかかっているような気がする。ラリーパパの音楽を聴いてそう思った。
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by kesuike6 | 2004-09-09 11:41 | ALBUM(SINGLE)
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