カテゴリ:SONG( 31 )
小谷美紗子 「嘆きの雪」('97)
b0061611_2104925.jpg女版レオン・ラッセルではないけど、小谷美紗子というシンガーの歌声は強烈だ。彼女の感情剥き出しの言葉とそれにも増したエモーショナルな歌声を聴いていると、胸がチクチク痛い痛い。一応ポップス然りとしたアレンジが施してあるが、僕は彼女の歌声に一点集中、他はあまり聞こえてこない。まさに情念オンリーの歌。彼女の歌がイースタンユース始めパンクスたちに圧倒的な支持を受けるのも無理はない。

「嘆きの雪」は彼女の記念すべきデビュー曲にして、どこまでも衝撃的な名曲。デビュー曲がこんなに暗くていいのかと思わず心配になるくらいのヘヴィーな曲だけど、悩みもがいている人たちの心に間違いなくガツンと響く素晴らしい曲だ。僕の中では、荒井由実の「ひこうき雲」にも匹敵するくらいの名曲。しかも、これが20歳の時の曲だと言うから驚き。

  同情まじりの優しさは ダイヤモンドを切り刻むナイフのよう

  凍りついた彼の中で 私だけが あどけなく死んでゆく

・・・痛い。

その後、Coccoとか椎名林檎のような情念系女性シンガーが出てきたけど、まさしく小谷美紗子さんはその走りだと思う(もう少し前には鈴木祥子さんがいますけど)。ただやっぱり彼女らに比べると、小谷さんは地味なのかなぁ。それだけで聴かれないのなら、寂しい限り。ただ良い歌を真っ当に歌うその当たり前の姿が眩しすぎるのかな。
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by kesuike6 | 2005-02-09 02:11 | SONG
Leon Russell 「Bluebird」('75)
b0061611_045180.jpg『WILL O' THE WISP』収録曲。とてもじゃないけどジャケ買いはまずありえない怖いジャケット、しかも邦題が『鬼火』。これがレオン・ラッセルの作品じゃなければ、まず聴くことはないだろうな・・・。

僕はロック仙人(僕が勝手に命名)ことレオン・ラッセルがホント大好きで。自分でもなぜだかよく分からないんだけど、好き。お世辞にもボーカリストとして上手だとは言えないし、声もひどいダミ声で美声とは程遠い、なのに彼の歌が好き。彼の描くメロディーはあっちこっち動きまくって、やたらにドラマチック、その上、例のアクの強い歌声で熱唱するもんだから、なんだかもうとにかく過剰で濃厚で暑苦しい。実はポップなメロディーなのに、全くポップに聞こえないんだよな。これぞ男の浪漫、仁義なき闘い。

特に、「Bluebird」という曲はこの世で一番といってもいいほど好き。非常に美しいメロディーラインに荘厳なピアノとゴスペル風味の女性コーラス、そして、レオンの魂のこもった優しい歌声は、どことなく神々しく感じられ、ポップスという枠を超えて何か賛美歌のように聞こえる。僕はこの歌を聴く度に、心が浄化された気分になるのです。て、こんなことを言っていると、なんだかレオンが仙人じゃなく、神様に見えてきたような・・・。

※「Bluebird」は、かせきさいだぁの「冬へと走りだそう・再び」のサンプリング・ネタだったりします。
※あと、このアルバムには「Lady Blue」という名バラードも収録されていて、それも最高です。
※ちなみに、カーペンターズの「Superstar」「A Song For You」「This Masquerade」といった名曲はレオン・ラッセルが作った曲なんです。
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by kesuike6 | 2005-02-08 01:10 | SONG
初恋の嵐 「Untitled」('01)
b0061611_1227444.jpg初恋の嵐の西山達郎という人が亡くなったときはショックだった。エリオット・スミス並にショックだった。西山達郎という人は本当に才能のある人だな、初恋の嵐というバンドはきっと近い将来ビッグなバンドになるんだろうな、初恋の嵐というバンドが日本のロックを引っ張ってくれたらそれはかなり嬉しいなと思っていた矢先だったから。25歳は若すぎるよ。

とまぁそんな感傷にどうしても浸ってしまうわけですが、僕はこの「Untitled」という曲がとにかく好きで。淡々としているのに異様にセンチメンタルなメロディがこれ以上無いシンプルな3ピースのロックンロールで鳴らされ、西山氏の少し鼻にかかる艶のある歌声で優しく強く歌われる。誰かがバッドフィンガーみたいだと言っていたけど、なるほどそういえば西山氏にはピート・ハムの面影があるような。本当にいい曲だと思う。初恋の嵐のメジャー・デビュー作にしてラスト・アルバムとなってしまった『初恋に捧ぐ』に、この曲のPVが収録されている。ただ単に3人がこの曲を演奏している様子を映しているだけのあまりにも簡素な映像だけど、なぜだかグッときて何度も見てしまう。本当にいいバンドなんだと思う。

それにしても、初恋の嵐とはなんて素敵なバンド名なんだろうか・・・無念。

※そういえば、僕は『初恋に捧ぐ』のレコ発インストア@京都タワレコに参加したのだった。たくさんの人が見に来ていたけど、ほとんど全員が若い女の子で男は自分だけじゃないかというくらいだった、ホントに。なんか照れ臭くて、いたたまれない気分だった。確か、無頼庵の堀内氏が見に来ていた。
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by kesuike6 | 2005-01-27 13:00 | SONG
小坂忠 「しらけちまうぜ」('75)
b0061611_2133386.jpgジャパニーズ・ソウルの大名盤『ほうろう』収録曲。偶然テレビで耳にしたこの曲がえらく気に入って、その日のうちにアマゾンで注文したのです。最近紹介してもらって入会したmixiでこのことを報告したら、結構反響がありましたもんで・・・。

マッチもオザケンもカヴァーした「しらけちまうぜ」は、作詩・松本隆/作曲・細野晴臣/編曲・細野晴臣&矢野誠、演奏はティン・パン・アレイ、歌うはもちろん小坂忠という、日本のロック/ポップスの大御所ばかりでクラクラしますけど、それよりも何も僕はこういう小粋な歌謡ソウルが大好きなのです。基本的には都会的でお洒落なんだけど、全然気取ってないというか。良い意味で、日本語のダサさがいい味出してるんですよね。いいわぁ。それにしても、この松本隆さんの歌詞はホント最高です。まずタイトルの「しらけちまうぜ」からして素敵なんですけど、振られた男の精一杯の強がりを描写したちょっとハードボイルドな詩が泣けるんです。

  小粋に別れよう さよならベイビイ 振り向かないで
  彼氏が待ってるぜ 行きなよベイビイ 早く消えろよ
  涙は苦手だよ 泣いたらもとのもくあみ しらけちまうぜ
  いつでも傷だらけ 愛だの恋は今さら しらけちまうぜ

・・・わかるなぁ。

僕は「しらけちまうぜ」を聴いたとき、カーネーションの「Happy Time」を真っ先に思い浮かべたのですが、どうでしょうか?アレンジ、特にギターの感じとか結構似てると思うんですけどね。
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by kesuike6 | 2005-01-20 03:10 | SONG
The Band 「Tear Of Rage(怒りの涙)」('68)
b0061611_18398.jpg25歳のボクがザ・バンドの本当の良さなんて理解っていないかもしれない。でも、ザ・バンドはなんかやっぱり好きだ。見た目も演ってる音楽もめっちゃ渋いけど、ボクにはなぜか妙にポップに聞こえる。聞こえるんだから仕方ない。

ザ・バンドはほとんど全員(ていうか、ガース以外全員)がリードボーカルをとることができる。しかも、みんなホントにいい声をしている。反則。ボクは基本的に歌ものが好きだから、ボーカリストの歌声はかなり重要である。せっかく曲が良くていい詩を書いていても、歌声が肌に合わないとそれだけでもうのめり込んで行けない。ボクが最も惹かれるのは、上手い(巧い)ボーカリストではなく、美味い(旨い)ボーカリストである。つまり、味のあるボーカリスト。はっきり言って、歌唱力なんてほとんど関係ない。むしろ、少し下手なくらいの方がグッとくる。味はトレーニングすれば出るようなものではなく、その人の人生や思想や音楽への愛情など目に見えない精神性が滲み出たものであると思う。ボクはやっぱり単なるBGMのようなものには興味がないし、いちいち心を揺さぶってくる目一杯うざったくて暑苦しいのが好きだ。

この曲は、そういう意味での究極だ。リチャード・マニュエルの魂の奥底から絞り出したかのような不安定な高音と耳に脳に心臓にベットリべとつく粘り気。ボクは痺れて動けない。そして、涙。こんな凄まじい名曲が1曲目に入っているデビュー作『MUSIC FROM BIG PINK』も当然素晴らしいアルバムなのだ。
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by kesuike6 | 2004-12-26 01:09 | SONG
Ian Dury 「Something's Going To Happen In The Winter」('77)
b0061611_2542771.jpg先日届いた英国産ファンクの傑作イアン・デューリー『NEW BOOTS & Panties!!』があまりに素晴らしくて、ここんところ我が家のヘヴィーローテーションです。しかも、ボーナストラック付きの本体よりも、デモトラック集ばかり聴いています。名曲「Wake Up And Make Love With Me」のデモ、名曲「Sweet Gene Vincent」のインストヴァージョン、めっちゃカッコイイ!他には未発表曲も数曲含まれていて(ボクはこれがイアン・デューリー初体験なので、未発表のありがたさをよく分かってないとこがありますが)、これがまたいいんだ。

特に、「Something's Going To Happen In The Winter」という曲が素敵。Ian DuryとChaz Jankelのデュエットなんだけど、ハモルどころか、完全にズレてる。そのズレが、なんとも味わい深くて目に染みる。Winterだけあって、なんとも冬っぽい切なくてかわいらしい曲調で、どことなくクリスマスっぽくもある。ボクの感じる冬がこの曲にある。どうやら、ボクの今年の冬のテーマソングになりそうだ。
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by kesuike6 | 2004-12-21 02:57 | SONG
鈴木祥子 「だまって笑ってそばにいる女」('98)
b0061611_11482551.jpg←お美しい御御足で・・・。あまりに艶っぽいので、凝視できません(照)。て、凝視する必要ないですね。はは。でも、いいなぁ、このジャケ。あ、これ以上言うと、ただの脚フェチじゃないかと思われそうなんで止めときます(まぁ否定はしないですけど・笑)。

 だまって笑ってそばにいる女
 あなたが愛したのはあたしじゃなくて
 だまって笑ってそばにいる女 だった。


ひどい男ですね。こんな理不尽な男とは別れちゃえばいいんですよ。でも、こういう男に限ってモテるんですよね・・・。ボクなら、反対に、“だまって笑ってそばにいる男”になっちゃいそうです。あらまぁ、駄目な男ねぇ。

これ、全くレビューになってないですね。ま、いいや。ちなみに、このアルバム『私小説』の中では、「プリヴェ」が一番好きかな。祥子さんの女の情念渦巻く言葉が、痛いです。
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by kesuike6 | 2004-11-20 12:13 | SONG
青山陽一 「Bright Lights Bugcity」('01)
b0061611_14323572.jpg近頃、急速に寒くなり、秋を通り越してもうすっかり冬という感じですが、皆様いかがお過ごしでしょうか?どうぞ風邪にはお気をつけ下さいませ。

冬の一大イベントといえばクリスマスですね。クリスマスの夜、コンビニに寄ると、店員含め男ばかりいることに気付き、妙な安堵感を得る。これがボクのいつものクリスマス(苦笑)。クリスマスに良い思い出なんてひとつもないけれど、クリスマスのムードは好きです。そして、必然的にクリスマス・ソングも大好きです。

ということで、今回紹介するのはクリスマス・ソングです。青山陽一「Bright Lights Bugcity」。おいっ!どこがクリスマス・ソングやねん!と突っ込まれること必至ですが、ボクにとってはクリスマス・ソングなんですよ。ていうか、ボクのクリスマスは、こういうメロウな感じなんですよ。コートのポケットに手を突っ込んで、やや猫背気味に白い息を吐きながら、クリスマス・ムードの街をひとり歩く。最初のうちは、その煌びやかでドリーミーな街並みにウキウキするんだけど、そのうち足の指先がじんじんしてくるし、溢れかえるカップルやその過剰にハッピーな街全体の雰囲気に何だか嫌気が差してきて、逃げるように街を出て行ってしまう。この曲の歌詞が、そんなボクのロンリー・クリスマスを的確に描いてくれているような気がして、妙にグッときて泣けちゃうのです。青山さん自身はそんなつもりでなくても、ボクにはそう聞こえるのだから・・・なんだか、異様に寂しい奴だと思えてきました。嗚呼。

そういうことを抜きにしても、ものすごい名曲だと思います。個人的には、青山さんの曲で一番良い曲だと思っています。そして、この『Bugcity』というアルバムも素晴らしいポップ・ロックの傑作なのでお薦めです。
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by kesuike6 | 2004-11-19 14:33 | SONG
Teenage Fanclub 「What You Do To Me」('91)
b0061611_21474623.jpg1分59秒。短いです。ただひたすら同じフレーズを繰り返すだけ。気だるいポップ。特に語ることもないし、なんてことない曲です。でも、なぜか愛しいんだよな。こういう感覚って、不思議だなぁ。ティーンエイジ・ファンクラブの楽曲って、大体そういう感じなんだよな。好きです。

アルバムでは、『サーティーン』が一番のお気に入りです。それについては、またの機会に。
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by kesuike6 | 2004-11-15 21:43 | SONG
WINGS 「Silly Love Song」('76)
b0061611_1243217.jpgボクはこの曲を聴くと、間違いなくだらしない顔になってしまいます。

今更、ポール・マッカートニーについて説明することもないけど、やっぱり、ポールは稀代のメロディーメイカーだよなぁ(感心)。天才だよ、天才。ベートーベンも凄いけど、ポールも凄いんだよ。もうなんていうか、身体中がポップスで出来てる人なのか、どうにもポップな曲しか作れない。ホント、罪なお人です。

ポールの弾くベースラインもとにかくメロディアスで、大好き。時に、リードギターを凌ぐほどポップなベースライン。そんな美メロ・ベーシストとして、あるいは、メロディメイカーとしての才能が爆発しまくった曲が、この曲。基本的にギターレスの編成で、「面倒臭え、もうどうせならギターいらねえや!」てことなのか。それも納得、もうね、ベース1本でメロディとグルーヴを共存させちゃうなんてね、凄いとしかいいようがないよ。

この曲は、ポールの人懐っこさと下世話でちょっぴりダサイ感じがそのまま出ちゃってて、聴いていて何だかくすぐったい。でも、やっぱり好きだよ。「Silly Love Song」ってタイトルもポールらしくていいですね。お茶目です。でも、日本語タイトルは「心のラヴ・ソング」って言うんだね・・・うーん、なんか違う。「おバカなラヴ・ソング」にした方がいいな。

嗚呼、そういえば、2年前の大阪ドーム公演、なぜかこの曲演奏してくれなかったんだよな・・・それが唯一の心残り。
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by kesuike6 | 2004-11-12 12:36 | SONG