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あれよあれよでティン・パン・アレー
あれよあれよでティン・パン・アレー_b0061611_0362640.jpg林立夫の小粋なドラミングに胸を躍らせ、豪華な細野晴臣ボックスに頭クラクラ、鈴木茂のますます鋭くとんがった轟音ギターに熱く大興奮!・・・となると、これはもうしょうがない、我が家では今ティン・パン・アレー旋風が吹き荒れております。その証拠として、ここ最近買った邦楽LPは以下の4枚(ちなみに、参考書はロック画報14~特集ティン・パン・アレー)。

吉田美奈子 『FLAPPER』(’76)
・・・ティン・パン・アレーを語る上で絶対外せないだろう傑作。とはいえ、村上ポンタ秀一、高水健司、松木恒秀らのフュージョン組も大活躍(A-3,4,B-2,5)していて、二組の火花を散らしたガチンコ勝負が実にスリリング!これが本当に30年前のレコードなのか!?おそろしく完成度の高いオトナなサウンドに腰抜かしました。フュージョン組の洗練の極み本格的な演奏に比べて、ティン・パン・アレーは洗練の中にもどこか茶目っ気があるというか、素敵にチャーミングな演奏に頬が緩みます。ワンモアコカコーラ!ノーサンクス!そして勿論、こんな凄すぎるバックを従えて、表情豊かに堂々とソウルフルに歌い上げる吉田美奈子さんの歌力に改めて脱帽、素晴らしいの一言です。ワンモアコッカコーラ!!・・・クレイジー・・・。

吉川忠英 『こころ』(’74)
・・・アコースティックギターの名手、吉川忠英さんのファーストソロアルバム、おそらく未CD化。ジェームス・テイラーに通じる緩やかフォーキーソウルな世界。ここでのティン・パン・アレーはゴージャスな『FLAPPER』とは真逆のイナたーく素朴な演奏、出汁のよく浸み込んだおでんの大根のごとく滋味深いサウンドにほんわか心が温かくなります。「古い時計の」は思い切り「恋は桃色」なしんみりと良い曲なのですが、それだけに(?)細野さんのベースの歌いっぷりが泣けるほど素晴らしいです。そして、不似合いなほど妙にアッパーな「今だけは」はご愛嬌ですかね(笑)。

ブレッド&バター 『レイト・レイト・サマー』(’79)
・・・アルファレコード移籍第1弾アルバム。眩暈がするほど絢爛豪華なゲストミュージシャンが大挙集結し一気に洗練と親しみ易さ倍増、これは間違いなくシティポップスの名盤(コロンビア時代って結構マニアックだったんだなぁと)。タイトルの通り、夏の終わりのちょっぴりセンチメンタルな黄昏気分満載のレコード、ていうかブレバタはいつもそうか。ユーミンの「あの頃のまま」も良いけど、一番のお気に入りは細野さん作の「The Last Letter」ですね。これは確か林立夫セレクション『NON VINTAGE』にも収録されてますが、立夫さんの叩き出す独特の粘っこいリズムが失恋をひきずる男の何とも言えない倦怠感を演出しています。間奏の(おそらく)茂さんのツボを押さえたさりげないギターソロがまた渋くてグッときますなぁ。情けなくも切ない名曲。あと、細野ボックスの後に「ゆううつ」を聴くと、どうしてもマリンバの音色にニヤリ。

久保田麻琴と夕焼け楽団 『ベターデイズ・オブ・サンセット・ギャング』(’7?)
・・・トリオレコーズ時代のベスト盤。これはもう「バイ・バイ・ベイビー」(細野さん作曲)のシングルバージョン目当てで買ったようなもの。で、そのシングルバージョンというのは、東京録音で細野さんプロデュース&アレンジでバックがハックルバック!ズシリと軽快なリズム隊、アラン父さんこと佐藤博さん専売特許のニューオリンズな弾むピアノに心ウキウキワクワク、何だかハンドクラップが止まらない。茂さんのゴォゴォ吹き上げる蒸気機関車の煙のごとく豪快スライドギターも聴き所。それにしても、つくづく細野さんは良い曲書くなぁと。しかも、ベーシストらしくまずリズムありきのポップなメロディーという曲構造が実にユニークなのです。
# by kesuike6 | 2007-03-14 00:39 | 日々レコード
Root is One~歌うギタリスト達の宴<大阪編>-LIVE REPORT-
Root is One~歌うギタリスト達の宴<大阪編>-LIVE REPORT-_b0061611_20343554.jpg青山陽一 / 田中拡邦 / 鈴木茂
with The BM's 【伊藤隆博(organ) / 中原由貴(dr)】
2007/02/25(Sun)@シャングリラ
START 18:30

ビートルズを聴けば聴くほど、ジョージ・ハリスンの曲に惹かれてゆく。はっぴいえんどを聴けば聴くほど、鈴木茂の曲に惹かれてゆく。ひょっとすると、僕は歌うギタリストが好きなのかもなぁと思い始める。そして。鈴木茂イズムを受け継いだ青山陽一と田中拡邦によるジョージのカヴァーから始まり、茂さんのあのギターあの歌声を目の前で浴びたこの日、僕はやっぱり歌うギタリストが好きなんだと確信した。ロックという音楽は、ギターをガツンと弾いてしっかり歌う、それがまず基本であり、また人の心を動かし踊らす最も重要な要素なんだと改めて思い知らされた一夜だった。嗚呼、ロックってエレキギターって素晴らしい。

それにしても、三人とも同じストラトキャスタータイプのギターでありながら、三者三様、それぞれの音色の違いに心底驚いた。田中くんの水色の可愛らしいストラトはとても艶やかでまろやかな音色、まるで彼のルックスのごとく。しかも、彼はギターソロになると、斜め上を向いて目をつぶり陶酔しながらセクシーに弾き出すものだから、その音色はさらに艶やかさを増し、田中ギャルはおろか男の僕まで惚れそうになる・・・卑怯だ。青山さんのクラプトンルックなストラトはカミソリのように鋭くソリッドな音、強力な殺傷力。今回は割とギターソロは控え目でリズムギターに徹しているような印象だったが、それだけにその音の特性がいかんなく発揮され、The BM’s中原さんのパンチ力抜群のドラミングと組み合わさって竜巻のような強烈なグルーヴを生み出していた、圧巻。そして、茂さんは個人的に見たかったあの赤色ではなく茶色い方のストラトだったが、その音色は一言“えげつない”、そりゃあもう凄まじいのだ。三人の中で音は最もストラトの王道を行っているような気がするが、でも、途轍もなくオリジナルで、太い、とにかく太い。それは、今までのレコーディングやライヴなど心からやりたい仕事だろうがやりたくない仕事だろうがとかく膨大な音楽経験が血肉化した太さというか、まるで音の説得力が違う。やはりキャリアが成せる業というのがあって、茂さんの熱くて深い轟音ギターを聴いていると、ロックは若者のものという世間の思い込みはアホらしく思えてくる。というか、55歳の茂さんの出す音は今の若い奴らなんかよりよっぽどとんがっているし、そりゃあ相当な不良だ。キャリアを積めば積むほどやさぐれてゆく、それはひとえにクリエイティヴな気持ちを常に持ち続けている証だと思う。ロックギタリストにチョイ悪なんて言葉はダサイ、悪けりゃ悪い方がいいのである。・・・おっと、熱く語ってしまった。リズムに合わせて身体を揺らしステップを踏みながら左右に激しく動き回り、足元に置かれた無数のエフェクターを忙しく操作、モニター用のイヤホンを付けたり外したり、ここぞと言うときは左眉を吊り上げ渋く豪快なギターソロをキめる、と茂さんのアクションも骨硬い系(?)の青山さんや田中くんとは対照的なアクティヴさでビックリだった(あと、妙に気さくなMCも。森○一・・・ハイ○ァイセット・・・ヤ○ザ・笑)。

で、これはやっぱりと言うかしょうがないと言うか、はっぴいえんどの曲をはっぴいえんどの鈴木茂がギターを弾いて歌っているという光景は、そりゃあもう筆舌にし尽くせない感動で。一発目「抱きしめたい」のあの静かに燃える印象的なイントロ、まっしぐらなのです~♪直後の“キュイィィーーーーン”というあの刺激的なチョーキングが聴けた時は、大興奮と共に心で泣いた。そして、鈴木茂の横には青山陽一がいて。実は茂さん作の「花いちもんめ」という曲、以前はそれほど印象に残っていなかった曲なのだけど、はっぴいえんどトリビュートで青山さんの素晴らしく洒落たカヴァーバージョンを聴いて、逆にオリジナルのファンキーなカッコ良さに気が付き、今でははっぴいえんどの中で1、2を争うくらい大好きな曲になった。だから、「花いちもんめ」を茂さんと青山さんと一緒に演奏するというのは個人的にものすごく感慨深く、これまた泣いた。

いわゆるはっぴいえんどフォロワーと呼ばれる人は数多くいるけれど、その中でも、青山さんが最もはっぴいえんどの意志を受け継いでいる人なのではないかと僕は常々思っている。はっぴいえんどが面白いのは、とても叙情的でありつつどっか冷めてる感覚であり、それはそのままメロディー(=叙情的)とリズム(=冷めてる感覚)の関係性にも繋がってくると思うのだけど、はっぴいえんどフォロワーと呼ばれる人たちの中で前者の叙情性やメロディーという側面だけならば該当者はたくさんいても、後者もしっかりと表現しきれている人はあまりいないような気がする。そういった意味で、両者を常に意識し実験し続ける青山さんこそが真のはっぴいえんどフォロワーと呼べるのではないだろうか。・・・なんて偉そうなことを言ってしまったけど、まぁそんなのどうでもいいことで。もちろん青山さんは、はっぴいえんどでもないし鈴木茂でもないし、どこの誰でもない圧倒的に個性的なシンガーソングライターでありギタリストであるというのは、ファンならみんな知っている。

あ、話が少し逸れたので戻してと。演奏されたはっぴいえんどの曲はさらに2曲、伊藤さんの暢気なトロンボーンが効果的だった「さよなら通り3番地」はめちゃくちゃ変な曲だなぁとニンマリ微笑ましく、ラストの「はいからはくち」は茂さんイントロでちょっと手が追いつかなくて苦笑いしつつもギターソロではバチコーン!とド派手にキめ、そして追い討ちをかけるように中原さんの入魂の高速ドラムソロ!そんなもん会場大盛り上がりに決まってる!嗚呼、生きてて良かった、幸せ。・・・とか何とか言いながら、あれが聴けて嬉しかった部門での個人的ハイライトが「100ワットの恋人」間奏の“プォォーーーーーーン”と粘っこく鳴り響くスライドソロだったというのが、自分でも意外だった。元々ホットな『BAND WAGON』の楽曲はさらに熱々で、ものすごい迫力の演奏。なのに、茂さんの頼りなさげなか細い歌声は相変わらず、その両者のギャップはあまりにあり過ぎるのに妙にキモチ良く響いてしまうのはなぜなのだろう?それはもう茂マジックと言うしかない。キモチ良いと言えば、中盤の「8分音符の詩」(大阪のみ、ラッキー!)「ソバカスのある少女」のメロウコーナーもとても味わい深かった。

その日以来、はっぴいえんど含め茂さんのレコードばかり聴いているのは言うまでもない。だって、より一層音がリアルに迫ってきちゃうんだもん、参っちゃうよなぁ(笑)。いやはや、茂さん中心の語りになってしまったが、こればっかりはどうしようもない。思い入れもあるだろうけど、それ以上に生で体験した茂さんのプレイや音力が想像を超えてあまりに凄すぎて、青山さんや田中くんやThe BM’sの演奏まで気が回る余裕が無かったというのが正直なところ。ということはつまり、ひょっとすると僕はこのイベントの真の面白さは味わえきれていないのかもしれない。嗚呼、やっぱりもう一回観れてたらなぁ・・・と感じた人も多いだろうから、次も出来るだけ近いうちに(茂さんの熱が上がっているうちに)是非このメンツでお願いします!と同時に、青山陽一&The BM’sの関西ワンマンライヴも引き続き熱望です!忘れてないっすよ!

・・・長文すぎて、目がシュパシュパしてきた。お疲れさまです。
# by kesuike6 | 2007-03-01 20:33 | LIVE
Root is One~歌うギタリスト達の宴<大阪編>-SET LIST-
Root is One~歌うギタリスト達の宴<大阪編>-SET LIST-_b0061611_13552974.jpg青山陽一 / 田中拡邦 / 鈴木茂
with The BM's 【伊藤隆博(organ) / 中原由貴(dr)】
2007/02/25(Sun)@シャングリラ
START 18:30

行ってきました!
いやぁ~何と言っても茂さんですよ、茂さん!
一体何なんすか、あのえげつない音!凄い、凄すぎる。
完全に魂持ってかれて、終始口ポカーン・・・。
そして、レコードで何度も聴いたあのギターフレーズや
味のある線の細い歌声が生で聴けて大感動、涙。
詳しいレポは興奮が冷めてから。って、冷めるかなぁ。

セットリスト(なかにしさんのHP参照)
# by kesuike6 | 2007-02-25 14:01 | LIVE
ハミングキッチン 『虹色ソーダ』('05)
いよいよ間近に迫ってきました、「Roots is One~歌うギタリスト達の宴~」@大阪シャングリラ。何と言っても、田中拡邦!に青山陽一!!に鈴木茂!!!それぞれの世代を代表するスーパーなエレキギタリストがいっぺんに観れる、長くて短い人生、こんな贅沢なライヴってそうそうないぞ!最前列かぶりつき、限界の限界まで眼を見開いてその雄姿を一コマ一コマ焼き付け、血が出そうなくらい耳の穴かっぽじってそのサウンドを一音たりとも逃すことなく鼓膜に擦り付ける、そんな激烈な意気込みで臨む所存でございます。そして、バックを務めるのはハモンドオルガン伊藤隆博!にドラムス中原由貴!目下日本最強の呼び声高いThe BM’sですから、そのしなやかで艶めかしくでも途轍もなく骨太な強力グルーヴを全身に浴びてしっかり踊りたいと、いや、踊らざるをえないんでしょう。嗚呼、想像しただけでムラムラしてきた・・・。おっと、なんだかアホみたいに興奮してしまったので、ちょいとクールダウン。

ハミングキッチン 『虹色ソーダ』(\'05)_b0061611_1422966.jpgと、そんな時にこんな素敵な音楽はどうでしょう。前記事でフューチャーした林立夫さんと交流があり(林立夫&一樹親子+ハミングキッチン=システムキッチンだそうです)、青山さん主催のライヴシリーズ“怪しい隣人”にも出演したことのある湘南、横浜を中心に活動する雑食系男女ユニット、ハミングキッチンの『虹色ソーダ』2005年作。男女2人組と言えば、エゴ・ラッピン、ハンバート・ハンバート、ビューティフルハミングバード、さかな、ふちがみとふなと、レムスイム・・・とりあえず今パッと思い浮かんだ名前を挙げてみましたが、流行なのか結構いますね。しかも、いずれも実力派であり且つ非常に個性的なグループばかりで改めて驚いたのですが、ハミングキッチンもそこに堂々と割り込んでくる素晴らしいグループです。

このレコードを聴く前は何となくフォークデュオっぽいのかなとイメージしていたのですが、ところがどっこい、ティン・パン・アレーを彷彿とする卓越した演奏力と洒落たセンスのファンキーなシティポップス集でビックリ!めちゃくちゃ良い意味で裏切られました。ブラジル、ニューオリンズ、ソウルなどのグルーヴィーな音楽を無理なく取り込む様は湘南の先輩ブレッド&バターを思い起こさせ、ボーカルのイシイモモコさんの伸びやかで力強くソウルフルな歌唱はまるで吉田美奈子さんのよう。そんな風に70’sのアノ匂いをプンプン漂わせているところが僕にはやはりグッとくるポイントですが、もちろん決して懐古主義的ではなく、その自由奔放なポップ感覚はあくまで現代的。眞中やすさんの紡ぐ黄昏時のオーシャンブリーズのごとくメロウで美しいメロディーも人を選ばないと思うし、こういう音楽がヒットチャートを駆け抜けてくれると僕は嬉しいんですけどね。是非ともライヴが観てみたい(やっぱり神戸が似合うかな)、立夫さんドラムで超ファンキーな「アヒルグライダー」聴けたら最高だなぁ。
※試聴などは⇒http://airlymusic.net/profile/humming.html
# by kesuike6 | 2007-02-23 01:44 | ALBUM(SINGLE)
ふゅーちゃりんぐ林立夫
ふゅーちゃりんぐ林立夫_b0061611_16353647.jpgレムスイムのドキュメンタリー映像『剛速球DVD』にて、それはライヴのリハーサル中、ドラマーでもある大久保由希さんがバンドメンバーに「林立夫ってスゴイよね!」と言っている場面が、僕はなんだかわからないけど妙に引っ掛かって、それ以来、林立夫の大ファンです・・・て、それ以来ってことはないですね、それ以前からも林立夫はスゴイ!というのは十分存じていたわけですが、夕焼け楽団に出会ってからじわじわとここ最近は特にニューオリンズっぽいものがすこぶる心地好くなってきて、そこから自然とリズムそしてドラムに興味が湧いてきて、どんな音楽を聴くにしても耳はいつも以上にドラムに集中、おかげで手足はバタバタ身体は揺れ揺れ、そんな風にいろいろ聴いて研究していく中で、僕の場合、最も自分のリズムや感性にピターッとくるドラマーは林立夫ではないかという結論に達しまして。決して歌を邪魔しないジェントルさを持ちつつも、よく聴いてみると、アイデアてんこ盛りでさりげなくスゴイことをやっている、しかも異様にファンキー!そんな粋でオトコ前なドラマー林立夫。ということで、今回はフューチャリング林立夫、最近のお気に入りの3曲を紹介しようかと思います。

DEVIL WOMAN / ブレッド&バター
・・・『マハエ』(’75)収録、Bass小原礼。ブレバタで林立夫と言えば「ピンク・シャドウ」に決まってるだろっ!とツッコまれること必至ですが、敢えてこの曲。いや、ひょっとして「ピンク・シャドウ」を凌駕してるかもしれない滅茶苦茶ファンキーなこの曲(「ピンク・シャドウ」に対抗して「グリーン・ルージュ」というタイトルでも良かったりして)。立夫さんの粘っこくシャープなドラミングと小原さんのブリッブリッのファンクベースとのガチンコ真っ向勝負は実にスリリング!あわや失禁もののカッコ良さ、外人も踊り出す強力なグルーヴに痺れまくり。いつか青山陽一&The BM’sでカヴァーしてくれないかなぁ。それにしても、このDEVIL WOMANは相当の悪女ですな、おお怖っ・・・。

流星都市 / 小坂忠
・・・言わずもがなの超名盤『ほうろう』(’75)収録、Bass細野晴臣。この曲は立夫さん自ら選曲した林立夫セレクション『NON VINTAGE』にも入っているので、立夫さん自身もかなりのお気に入りだと思うのですが、いやぁでもホント、曲といい歌といい演奏といい三位一体、これはマジで素晴らしいですよ(涙)。洗練の極みアダルティなメロウグルーヴにメロメロ、これぞ正真正銘のシティポップス。とは言え。細野さんの口数は少なくとも雄弁なしなやかなベースプレイにうっとりしつつも、背後から聞こえてくる立夫さんのドラムに耳を向けてみると、なぜだか尋常じゃなくテンションが高い!そ、そ、そんなに熱くならなくてもと止めたくなるほど、一人だけ荒くれてる(笑)。終盤のキック連打とか壮絶。おかげで、単にオシャレで終わらない何だか不思議な暑苦しさのあるロックな名曲に仕上がっております。

星くず / 久保田麻琴と夕焼け楽団
・・・『DIXIE FEVER』(’77)収録、Bass恩蔵隆。これもメロウでとてもロマンチックな名曲ですが、夕焼け楽団の独特の土臭さとユルさは、都会というよりも南の島が似合う感じでしょうか。決して派手ではないけど、立夫さんのリムショットとバスドラのコンビネーションはホント絶妙で気持ちいいツボを確実に突いてきて、あっという間に夢見心地に・・・。ドラム演奏っちゅうのは叩くだけが能やない、何よりも間(ま)が大切なんやなぁと教えてくれる素敵なドラミングです。嗚呼、でもホンマ気持ちええ曲やわぁ、大好き。
 あ、余談ですが、先日のグレイトノスタルジア祥さんのこの記事を見て、カーネーションの「オートバイ」という曲がこの「星くず」にインスパイアされていたということに気付きました。僕らはみんな星くず~♪ですからね。

それゆえに細野ボックスのDVDで一番嬉しかったのは、今はもちろんゴキゲンに叩く若き林立夫の姿が見れたことです。ありがたや。
# by kesuike6 | 2007-02-18 16:49 | SONG