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東京ローカル・ホンク 『東京ローカル・ホンク』('05)
あんなに熱かった伊藤銀次ブームはあっけなく終焉を迎え、て大袈裟な、まぁB型なので移り気早いのです。とは言え、ココナツ・バンクを聴いていて、なんだかんだで結局僕は米国南部な土の匂いのするロックがホント好きなんだなぁと再確認、そっからはもう泥まみれ、ユニフォームは真っ黒けです。そう、あれは僕が野球少年だった頃、毎日のように日が暮れるまで必死こいて白球を追いかけていたのでした。嗚呼、汗と涙の我が青春。

東京ローカル・ホンク 『東京ローカル・ホンク』(\'05)_b0061611_0154987.jpg土の匂い、ロック、野球、青春・・・それはつまり、東京ローカル・ホンク『東京ローカル・ホンク』。なんだかよう分からん連想ゲームですが、とにかく、この作品は日本語土ロックの名盤だということを声高らかに言いたいだけなのです。

溢れんばかりの歌心と人間味のある豊かな演奏、ゆったりと粘っこいちょいとファンキーなグルーヴに乗せて、ちょいとした日常風景をちょいと熱っぽく歌う。思い出すのは、はっぴいえんど、はちみつぱい、センチメンタル・シティ・ロマンス・・・そして、やっぱりどうしても久保田麻琴と夕焼け楽団。というのも、この作品は久保田麻琴プロデュース。至極アーシーでありながら、よく足元を見てみると2mm程宙に浮いていた、そんな独特な浮遊感だったり、生身のライヴっぽさを大切にしつつスタジオマジックはしっかり試みる野心的で凝りに凝った音作り(制作期間なんと4年!)は実に麻琴さんらしいと言えるし、もちろん東京ローカル・ホンクの音楽世界との相性もバッチリ、ノスタルジックなのに斬新という非常にユニークな作品に仕上がっています。

あと、ハイドパークフェスなどで東京ローカル・ホンクのライヴを観て、5人時代のカーネーションのようだという感想をいくつか見かけたけど、夏三部作あたりのあの気だるくグルーヴィーな感じは確かに近いかもしれないですね。ただ、カーネーションは東京から少しはなれたところに住んでいるけど、東京ローカル・ホンクは東京から結構はなれたところに住んでいるというか、山や田んぼがよく似合うというか。なので、なんだかんだで超がつきそうな田舎もんの僕はどうしてもグッときてしまうのです。中でも、前代未聞の帰省ダブ(?)「ブラック里帰り」なんかは、麻琴さんの言葉を借りると鼻がつ~んときて仕方がないのです。

その可笑しな「ブラック里帰り」(とりあえずフィッシュマンズ・ファン必聴!?)や麻琴さんも豪華メンバー(レボン・ヘルムにガース・ハドソンにジョン・セバスチャン!)でカヴァーしているしんみり切ない「遠い願い」なども好き、というか全曲大好きなのですが、敢えて一曲選ぶとするなら、「カミナリ」ですかね。壮大で物語性に富んだドラマチックなうねりのある曲構成、胸に染み入ってくる郷愁を帯びた和風メロディー、折り重なる美しすぎるハーモニー、泣きながら熱くなれる名曲です。

※試聴など、詳しくは⇒http://www.geocities.co.jp/MusicStar-Guitar/1368/works/honk.html
by kesuike6 | 2007-02-07 00:20 | ALBUM(SINGLE)
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