孤高の天才シンガーソングライター、ロン・セクスミスの通算6枚目『RETRIEVER』は2004年を代表する作品であることは間違いない。時代の移り変わりなんてものを軽々と超越してしまう普遍的なグッド・メロディーの数々。なぜ彼の音楽がもっと高く評価されないのか(高くは評価されているが、まだまだ足りないと思う)、なぜこれほどまで知名度が低いのか、さっぱりボクには分からない。ロン・セクスミスを聴かずして、一体何を聴くというのだ?(傲慢モード)
エリオット・スミス亡き(ホントに無念でならない)今、ロン・セクスミスにかかる期待は大きい。しかし、本人は至ってマイ・ペースに、ただ単純にいい歌をいい声で真心込めて歌っているだけだ。それでOKだし、ボクはそれ以上のことを望んではいない。変化しないことの強さ、美しさ、切なさ、ロンの歌はいつもそんなことを教えてくれる。人間なんて生き物は表面上は変化しても本質的なことは変わらない。そういう本質的な部分をぶっとくて揺るがない強固なものにしていくことの方が大事なような気がする。最近、ボクはそんなことばかり考えている。 名曲ばかりが詰まった傑作『RETRIEVER』の中で、最も涙腺にキたのが「Wishing Wells」という曲。ひたすらコードストロークでザクザクと力強く鳴り響くエレキギター、これでもかというくらい切ないメロディー、サビに向かってグイグイと盛り上がっていく構成、熱を帯びたロンの狂おしいヴォーカル・・・号泣必至。悶絶。素晴らしい。カーネーション「ANGEL」と双璧だな、これは。 ※ちなみに、日本盤はCCCDなので、US盤を買うことをお勧めします。
by kesuike6
| 2004-07-19 11:21
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